「工場勤務の正社員になりたい」
このように思っている人も多いのではないでしょうか?
工場勤務のメリットとして、
・高収入
・休日がしっかりある
・仕事内容が簡単
などがありますから、工場勤務の正社員になることができれば、安定して働くことができるでしょう。
では、現在工場で非正規社員として働いている人や、別の職種から工場へ転職したいと考えている人が、工場勤務の正社員になることはできるのでしょうか。
この記事では、
・工場勤務の正社員になるにはどうしたらよいか
について、具体的に詳しく解説していきます。
現在、正社員として工場で働きたいと考えている方はぜひ参考にして頂ければ幸いです。
工場勤務の正社員になるにはどうしたらいい?
工場勤務の求人を見ると、アルバイトや派遣社員、期間工などの扱いで募集されていることが多いのですが、正社員募集を行っている会社も多数あります。
求人情報誌などを見ていて目につくのは、アルバイトなどの簡易的な雇用ばかりですが、これは工場自体が
・繁忙期にだけ人を増やしたい
・入れ替わりが多いので常に人を募集していたい
という考えがあるためです。
このような派遣社員・期間工の求人数が多く見えることから
「工場勤務は正社員募集が少ない」
というイメージが染みついているのだと思います。
ですが、求人をよく見てみるとたくさんの正社員募集があることが分かると思います。
工場の立場になってみても、非正規ばかりの社員を抱えていても仕事が円滑に進む訳もありません。
正社員として雇用できれば、数年かけて仕事を覚えてもらい、ある程度仕事を任せることもできます。
そして長期的に働いてもらうことでその部署の統括を任せられるので、できるだけ採用していきたいという考えているのです。
ですので、工場側は非正規社員ばかりを欲しがっているのではなく、正社員として採用したいという考えもあるのです。
続いて、どうすれば正社員として工場に採用してもらえるかについてお話していきます。
現在工場に勤めている人がその工場で正社員になりたい場合は、まずは直属の上司へ相談してみましょう。
あなたの日々の仕事の頑張り、会社に直結する利益をもたらしていないとしても、何らかの形で会社に良い影響をもたらしているのであれば、正社員登用を前向きに検討してもらえるでしょう。
派遣会社に所属している場合は、まずはその工場が正社員雇用を行っているかの確認が必要です。
ですが、その工場の正社員になりたい旨をいきなり派遣会社に相談したとしても、派遣会社は社員を失いたくありませんから、当然引き止めるでしょう。
そのため、先に工場側に正社員になりたい旨を相談して、正社員雇用を検討してくれるのであれば、そのあとで派遣会社へ相談するのがいいでしょう。
「すでに工場側も正社員として雇用する予定がある」
と聞けば、働く人の自由ですので滞りなく採用面接などが出来ると思います。
現在別の職種に就いており、これから工場の正社員として働きたいと考えている場合は、まずは自分がどういった工場で働きたいのかの目星をつけましょう。
工場にもたくさんの種類があり、働く場所・作業内容・作業形態などには幅があります。
1から職探しをすると疲れてしまうので、ある程度やりたいことを絞っておくことがおすすめです。
自分の通勤可能範囲内で探す場合は、求人誌や求人サイト、ハローワークなどで正社員を募集している工場の求人を集めていき、そこから自分が気になるところを絞り込んでいきましょう。
ハローワークの場合、求人情報には正社員募集と記載が無くても、問い合わせると正社員としての雇用を考えてくれる場合がありますので、職員と相談しましょう。
現職を辞める際は、転職先が決まってから会社に退職を申し出るようにしましょう。
なぜなら会社側としては、転職先が決まっていないのに会社を辞めるというのは納得しづらいからです。
また、本人としても現職を先に辞めたけど転職先がなかなか決まらないということにもなりかねません。
転職する場合のタイミングは、就職が決まってからというのが定石なので覚えておきましょう。
工場勤務の正社員求人は実は多い!
「工場勤務の求人はアルバイトや派遣社員が多いイメージがある」
と先ほど説明しましたが、実際のところはどうなのでしょうか?
大手求人サイトを使って、工場・製造業の正社員求人情報を調べてみました。
関東地域に絞り込むと、正社員と絞り込んでも1600件以上の求人が見つかりました。
狭い範囲の地域に絞り込んだとしても、300件以上は該当し、その職種もさまざまです。
住宅用の部品製造・加工、自動車製造系、食品製造系など幅広く見られます。
勤務地としては大手企業になると、神奈川や千葉などの工業地帯に集中し、小さな部品製造や食品製造になると、埼玉や東京都内でも求人がありました。
関西地方で絞り込めば、正社員で1500件以上の求人数となり、やはり西日本の中心部であることから関東とほとんど変わらない数の求人がありました。
勤務地はまんべんなく広がっており、特に海沿いの工業地帯は密集しています。
関西地方では組み立て系も多く、町工場などで正社員を募集しているケースも多く見られます。
また、研修制度を設けていたり、寮を完備していたり、フォークリフトなどの免許を持っているだけで特別報酬が追加される求人もありました。
中部地方では1300件以上の募集があり、やはり愛知県を中心に自動車工場の正社員求人が多く見られます。
自動車工場以外にも食品製造、家電製造など多岐に渡っていますので、自動車工場に興味がないという場合でも安心です。
中部地方の工場の特色としては、古くから工業地帯として多数の人員を雇用しているため、働きやすい環境づくりが完備されている会社が多いことが挙げられます。
新しく建てられた寮であったり、マイカー通勤が可能であったりと嬉しいポイントも多数です。
中国・四国地方では600件ほどの正社員求人がありました。
求人内容はマシンオペレーターや機械部品の製造・組み立て、半導体の組み立てなど機械製造の工場で正社員募集が多くされていました。
中国地方の求人の特色としては、大手鉄鋼所などの求人が他の地域と比べて多い傾向にあります。
アルバイトや短期職員などの非正規雇用の求人も多数見受けられましたが、正社員を募集している同じ会社が募集していることもあり、非正規社員として入社してから正社員になるという選択肢も視野に入れることができるでしょう。
九州地方は各地に下請け工場があり、正社員募集の求人数は500件と都心部、工業地帯と比べるとやや少なめでした。
製造品には自動車部品、機械部品のほか食品系も多数あるのが特色です。
九州内では都会ではなく地方に工場があることが多く、マイカー通勤が基本となります。
ですが、正社員になれば月給も高くなる傾向にあるので、アルバイトで短期的に働くよりも本腰を入れて働くことができるでしょう。
東北・北海道地方も、中国・九州地方と同じくらいで約500~600件の正社員求人がありました。
東北地方では自動車工場が多く、北海道地方では食品系の工場が正社員を多く募集しています。
月給も他の地方と大きく変わりはなく、20万円以上となっている工場ばかりです。
また、軽作業の内容も多く、未経験でも正社員として働くことが出来る会社が多い傾向にあります。
このように全国的に見ても正社員を募集している工場は多数あり、探すのが難しいということはないでしょう。
社員寮を持っている企業も珍しくなく、引っ越しを視野に入れて転職活動が出来れば、より転職をスムーズに進めることができると思います。
「工場勤務は正社員の求人が少ない」
という世間のイメージは、全くもって間違いあり、全国各地で正社員の求人募集がされていることが分かります。
工場勤務の正社員の採用面接は受かりやすい
正社員として工場勤務を選ぶメリットの一つとして、
・入社が比較的簡単である
ということが挙げられます。
例えば一般企業に正社員として転職しようとすれば、適性試験や面接、来歴などが重要視される上、求人募集しているのに落とされるというのは当たり前です。
また、年齢を重ねるに連れ正社員としての採用は難しくなってしまいます。
それほど正社員としての転職は困難と言われている昨今ですが、それでも工場勤務が正社員として採用されやすい理由を詳しく説明していきます。
即戦力が欲しいから
工場の多くは、慢性的に人手不足ということもありますが、他の職種と比べて比較的離職率が高く、人の入れ替わりが激しいです。
当然、退職者が出れば、次の人材確保に動くほかありません。
また、シフト制で勤務時間を分けていますが、毎日決まった時間に決まった人が必ず出社するわけではありません。
突発的な風邪でやむ負えず休みたい人や有休を使用したい人もいるでしょう。
そのため、仕事量に対して、人材は常に余裕のある状態を保っておく必要があります。
工場側が一番恐れていることは生産を止めることです。
大きい工場になればなるほど、生産を一時停止したときの生産量減少による売り上げ減少は大きくなり、人件費とは比べられない損失を出してしまう危険性があります。
よくネット上で「工場は暇」という意見があるのも、繁忙期に基準を合わせて多くの人材を確保しているためです。
そして何より工場にとって、正社員の存在はとても大きいです。
正社員として長く勤めれば、製造物、ライン、社内ルールについての理解度が向上するため、非正規社員に指導できるようになります。
工場は、決められた期間で入れ替わる非正規社員が多数在籍しているため、非正規社員に仕事のやり方を指導する正社員の存在はとても大きいのです。
そして、よりたくさんの正社員を長く雇用することで、もし同時に数人の正社員が辞めてしまったとしても、工場のレベルを維持できるのです。
つまり正社員として働いてくれる人がある程度いなければ、工場は成り立たないわけです。
そのため、ある程度仕事が出来るということが分かれば、工場側は正社員として採用するのです。
面接は勤務形態の確認などが多い
工場勤務の面接では、あまり深い内容の答弁を求められない傾向にあります。
一般企業などでは、その仕事に関する情熱や求めるやりがい、過去の経歴、実績などをはっきりと答えなければいけませんし、場合によってはその企業ならではの質問などもあるかもしれません。
しかし工場勤務では、あまり込み入った話になることは少なく、どちらかと言うと「作業に向いているのか」という点に注目されやすい傾向にあるのです。
転職の際は「どうして前の職を辞めたのか」ということは聞かれるかもしれませんが、それは正直に答えても大丈夫でしょう。
・なぜこの会社を選ぼうと思ったのか
・その会社の製品についてどう思っているか
などは聞かれやすいですが、比較的答えやすい内容だと思います。
その他には、
・自宅から勤務地までの移動手段
・作業時間、シフト制についてどの時間帯に出勤可能か
・作業内容に食い違いなどはないか
などの確認がされます。
試用期間があり、契約社員として働いた後に正社員として採用をするというケースでは、こういったこともあまり深く聞かれません。
きちんと通勤出来るか、持病などはないか、扶養家族は居るかなどの質問だけで終わり、そのまま採用ということもあります。
正社員としての応募だからといって、気負いせずに気軽に応募してみると、案外すんなりと採用されるのでびっくりしたという人もいるくらいで、事前にその企業について簡単に調べれば十分対策はできるでしょう。
工場勤務の正社員になるには求人情報の見極めが大切
工場勤務の求人自体は多数あると説明しました。
実際、求人情報サイト各社を見てみても、工場勤務の求人がないところはほとんどありません。
どの地方を見ても大抵は、工場勤務の派遣社員やパート・アルバイト社員の募集をしており、多くの職種から選ぶことができます。
ですが、正社員雇用を目標とする場合、求人情報をしっかりと読み込んでおく必要があります。
正社員になるには「雇用条件」に以下の記載があるかが重要ですので確認しておきましょう。
・正社員としての採用
・正社員登用あり(実績あり)
・試用期間(数か月)を経てから正社員登用前提
上記の記載がないのにも関わらず、正社員を夢見て契約社員として採用されても、正社員になれる可能性は極めて低くなります。
正社員を目指して求人情報を見ていると、大きな見出しで「短期職員募集」と書かれている情報があります。
しかし実は、この中には「正社員雇用あり」と記載されていることがあり、この情報はよく見落としがちです。
全ての募集内容に書かれているとは限りませんが、特に大手の企業ではこのように書かれていることも多く見られます。
また、契約社員から正社員を目指す場合は、実際に正社員登用の実績がある企業かの情報収集をしておく必要があります。
もし頻繁に正社員登用を行っている企業であれば、正社員になれる可能性は高いでしょう。
数ヶ月~数年は契約社員(試用期間)として働かなければなりませんが、仕事ぶりが評価されれば、正社員として雇用されるケースがあるのです。
これには働く側・雇用する側両方に多くのメリットが含まれています。
まず働く側のメリットとしては、その仕事が合っているかの判断ができます。
工場勤務は実際にやってみなければわからないことばかりです。
特にこれまで工場勤務をしたことがない人にとっては、特殊な環境で働くことで自分も予想をしなかった不調が現れる可能性もあります。
特に肩や腰は痛みやすく、1ヶ月もすれば向き不向きが分かるでしょう。
ほかにも工場内の環境に自分が合うのか確認することができるでしょう。
働いている人の雰囲気や工場独特の匂い、就業時間などは、やはり実際に体験しないと続けられるかどうか分かりにくいのです。
これは働く人だけではなく、雇用する企業側にもメリットだと言えます。
企業としては、面接でどんなにやる気があったとしても、結局は仕事が続けられるかどうかが重要なので、実際に作業している姿を見て正社員としての適性能力があるかの判断をしているのです。
また、ハローワークに出している求人情報だと、ハローワークの職員を通して正社員雇用に関しての質問もしてもらえますし、場合によっては正社員雇用を斡旋・交渉してもらえることもあります。
工場勤務の正社員と派遣社員の違いとは?
「正社員の方が派遣社員よりも良い」
ということは、なんとなく頭では分かっていても、具体的にどのような点で良いのか理解できていない人も多いのではないでしょうか。
ここでは、工場勤務の正社員と派遣社員の違いについて、具体的に詳しく解説していきます。
正社員と派遣社員の待遇の違いが分かると、これから正社員を目指そうという気持ちになるかもしれません。
雇用期間の違い
正社員と派遣社員の大きな違いは、雇用期間です。
派遣社員は決められた期間で働くことで契約され、決められた期間が終了すればその時点で契約が終了します。
仕事がよくできて会社に評価されていれば、企業側が契約を更新する可能性がありますが、更新されなければ当然そこで仕事は終了になります。
一方、正社員の雇用期間は決まっておらず、長期的に仕事を続けることができます。
もちろん、企業の経営不振であったり、情勢によっては正社員でもリストラされる可能性はありますが、それでも先に切られるのは派遣社員やアルバイト・パートが優先ですので、安心感があります。
労働組合のある会社であれば、さらに安心して働くことができるのです。
給与の違い
派遣社員と正社員であれば、当然正社員の方が給与が高くなります。
これは、長く会社に勤めることで経験値やさまざまなスキルが身につき、会社に大きな利益をもたらしていると判断されるからです。
工場勤務の給与は、残業代、休日出勤、夜勤などの手当金額はかなり大きいので、正社員で安定した月収が得られるようになることは大きなメリットと言えます。
福利厚生の違い
正社員は福利厚生の面でも手厚い待遇を受けることができます。
社会保険や有給休暇などは派遣社員にもありますが、正社員になれば労災や借り上げ制度と言った部分のほか、正社員でないと受けられない福利厚生がたくさんあります。
退職金も大きなポイントでしょう。
勤続年数が長くなればなるほど退職金は高額になりますので、これも正社員なるメリットです。
資格取得のしやすさ
工場勤務では資格取得ができるという声も聞きますが、資格取得には正社員のほうが有利です。
企業側としては正社員に資格を取得してもらったほうが後々に大きなメリットとなるのです。
派遣社員を優遇して資格取得させても、雇用期間が決まっている分、見返りがなく損だと考える事が多い傾向にあります。
また、資格によっては勤務年数を重ねることが取得条件になっているものもあるので、派遣社員では取りにくい資格も取りやすくなります。
他の正社員との繋がりが持てる
正社員と派遣社員では、元々働いている正社員の人から受ける待遇に差がある場合があります。
元々働いている正社員の人からすると、入れ替わりが激しい派遣社員とは馴れ合う必要は無いと考えている人が多くいます。
正社員として入社することで、正社員同士の良いコミュニケーションを取ることが出来るのです。
仕事内容の変更が可能
正社員として雇用された後に、身体的・精神的・人間関係など何らかの問題が出てしまった時、会社側から仕事に支障が出ると判断された場合であっても、すぐに解雇とはならず別の部署に異動させてもらうことができます。
例えば、作業中怪我をし、これまで通りの作業ができなくなってしまった時には軽作業へ移ることもできますし、逆に軽作業から資格を取って専門作業に移ることも可能です。
他にも生産職から技術職、事務職、営業職への異動もあります。
それによって給与が上がることもあるので、正社員ならではのメリットと言えます。
派遣社員の場合は当然そうもいかず、労働組合に守られていないので退職させられてしまうでしょう。
まとめ
これまで工場勤務の正社員についてさまざま説明してきましたが、内容をまとめると
・工場勤務の正社員になりたいなら派遣先の工場側や派遣会社に相談する
・工場勤務の正社員の採用面接は受かりやすい
・工場勤務の正社員の求人は実は多い
・工場勤務の正社員になるのは求人情報の「雇用条件」の確認が必要
・工場勤務をするなら派遣社員より正社員の方がメリットが大きい
となります。
工場勤務では、派遣社員やアルバイトのほうが気楽に働ける分、そちらを選びたくなりますが、
「安定して長く働きたい」
「高い収入と福利厚生を得たい」
という人は、正社員として採用してもらえるように上記で説明したことに注意して行動しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。