「工業高校は普通科高校と違うと聞くけれど、どんなところが違うの?」
と興味がある人も多いでしょう。
工業高校ならではのあるあるや、生活の様子、ちょっと立ち入った話まで、工業高校出身の僕がご紹介していきたいと思います。
あくまでも僕の通っていた高校のエピソードですので、全ての工業高校が同じであるとは限りません。
ですが、なぜかどの工業高校の雰囲気も似たような感じで、出身が全く違っても工業高校というだけで盛り上がれたりするくらいなのです。
普通科高校にはない魅力を感じれば、工業高校に通いたいと思う人もいるかもしれません。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
工業高校の学校生活ってどんなの?
工業高校のイメージを聞くと、
・不良が多い
・勉強が楽
・授業していない
・荒れてる
など、結構散々なイメージを持たれていることが多いです。
大人になって「工業高校出身です」と言うと「やんちゃだったの?」や「頭良くないの?」と聞かれた経験は少なからずあります。
実際の所工業高校には不良もいますが生徒全員そうである訳がありません。
また、授業をしていなかったり、荒れていたりすれば普通にその学校は潰れてしまいます。
こういったイメージはマンガやドラマの影響が大きいようで、学園が舞台の作品になるとなぜか工業高校は不良枠として取り上げられるので困りますね。
不良はほんの一部であとは普通
「工業高校には不良が多い」というのは半分正解で半分間違いです。
工業高校は偏差値が普通科よりも低いので、中学生の時点で勉強について行けない人は大体工業高校に行かされます。
高校生になったらすでに不良となっている先輩たちがいて、その人たちに引っ張られて不良になってしまったというケースもあります。
なので、「工業高校=不良」といったような印象を持たれてしまうのです。
しかし実際の所、絵に描いたような反骨心あふれる不良はごくわずかです。
「不良っぽく見える生徒」もいるかもしれませんが、そんな生徒も授業になると案外真面目に受けていたりするのです。
学校の外で制服を着崩したり派手な髪型にしている生徒も見かけることはありますが、学校内の教師の目が光っているところではきちんと着ているのです。
僕が通っていた工業高校もそうでした。
不良っぽい生徒はクラスに数人ずついましたが、クラス内で暴れたり授業を放棄したりする人はおらず、せいぜい授業中寝ていたり、ノートを取らなかったり、休み時間のたびにズボンを腰穿きしてゲームをしたりする程度でした。
放課後になって学校の外に出れば、着崩して髪を整えて出るので外部の人からは「不良がいる」と思われてしまうわけです。
ある意味勉強は難しい
「工業高校の授業は楽で、勉強も簡単なんでしょ?」と言われた事も多数あります。
特に進学校出身の人にはほぼ言われていますが、普通教科に関しては返す言葉もなくその通りです。
僕が通っていた工業高校では、高校1年生最初の英語のテストで「アルファベットを順番に書きなさい」という問題が出ました。
さすがにこれは英語教師の戯れだと信じたいのですが、実際普通教科と言われる5教科に関しては少し勉強ができる人であれば授業をきちんと聞いていればテストは簡単でしょう。
しかし工業高校には「専門科目」があります。
機械科であれば機械工学などその学科に応じた専門分野の授業を受けなければいけません。
工業高校といえども専門学科においては大学と同レベルの授業を行う高校もあり、その専門性はかなり高いものになっています。
そのため、高校入学当初はそれまで一度も聞いたことのない単語や数字、用語、技術などを一気に覚えなければいけません。
教科書に書かれていること以外でも、実習で使う道具の名前や使い方、薬品の種類やその使い道、作業に関する計算式の応用など意外と難しい授業となるのです。
それを言うと「偏差値が低いのにそんな授業についていけるの?」と聞かれますが、正直しっかりついていけるのは数人で、大抵の人は丸暗記したり教科書やノートを片手に実習を行っています。
場合によっては先生が「これはこの式を当てはめて計算しろ」と公式をすでに教えてくれていたりします。
しかしそれに慣れていくと自然と身体が動くようになり、専門用語を取り入れた会話もできるようになるのです。
会話だけ聞いていれば高校生とは思えないレベルであったりするので、一概に「工業高校の生徒は勉強ができない」と決めつけることはできません。
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工業高校の授業中の様子
「工業高校の授業は荒れている」と言われることがありますが、学級崩壊レベルで荒れることはほぼありません。
なぜなら第一に学級崩壊を起こすような理由が無いことと、第二にそんな事を企てる人がいないからです。
最初に話した通り、工業高校には絵に描いたような不良はほとんどおらず、授業は基本的に真面目に受けています。
ですので、授業を壊す理由が無いので授業が荒れたりもしません。
学校生活をしていると嫌われる先生なども出てきますが、その場合でも居眠りをしたりこっそり携帯を見ている程度で崩壊とまでは行きません。
また、工業高校には実習の授業があります。
実習は専門科目の実習を行う時間で、作業服に着替えて行います。
この実習は大抵全員が真面目に取り組んでいます。
その理由は単純に「座学よりもやることがあって楽しいから」です。
さらに工業高校の実習は基本的に一般家庭ではできないことばかりです。
大きな旋盤を使う、ガス溶接、基盤の組み立て、設計や測量、重機の操作など普通の高校生ではまず体験することはないでしょう。
そういった特別感を実感しているからか、実習の授業は基本的に全員楽しんで真面目に取り組んでいます。
真面目に取り組まないのは重機や基盤などに興味のない女子生徒だったりしますが、そんな生徒もやらせてみれば案外楽しくやっていたりするのです。
工業高校で恋愛は難しい
「工業高校では彼女ができないでしょ?」と言う人がいます。
それも人それぞれです。
彼女をどうしても作りたいという生徒は、自分好みの女の子に手当たり次第声をかけて一時でもカップルになっていますし、かなり地味な男女がカップルになっているということもあります。
しかしながら工業高校内で恋愛をするとなると、さまざまなリスクが伴うのです。
まずは周囲からほぼ確実にからかわれます。
二人で歩いていれば声をかけられますし、離れて立っていても同じ部屋にいるだけで「くっついて居ればいいのに」とイジられます。
相手がいない時にも「今日は彼女いないの?」などと聞かれますし、学校内で二人で落ち着ける場所は皆無と言っていいでしょう。
直接言われない場合も基本的には影で何らかの噂をされますので、すぐに別れてしまう傾向にあります。
これは普通科の高校でもあり得る話ですが、いくぶん男子の方が多い工業高校では格好の標的にされる事間違いなしです。
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部活が活発
工業高校では学校の成績よりも個人の力を伸ばす方向であることが多くなっているので、どの工業高校でも一つは有名な運動部があるのです。
その多くは野球部やサッカー部、ラグビー部などで、僕の通っていた工業高校はラグビーが有名で毎年全国大会へ出場するくらいの実力があります。
僕も全国大会へ応援しに行きました。
こういった学校では生徒寮があり、学業と部活に打ち込める環境づくりもしてくれます。
進学校や普通校に行けば勉強もそつなくこなさなければいけませんが、工業高校なら部活動だけに打ち込むことだって可能になります。
工業高校は勉強が簡単であると紹介しましたが、その分部活動の練習に時間を分けられるので成果につながります。
これも工業高校に通うメリットではないでしょうか。
最後までお読み頂きありがとうございました。