「将来は建築士になりたい!」
「一級建築士になって家を建てたい!」
このように考えている人は工業高校の建築科がおすすめです。
工業高校の建築科では建築に関わる知識や技術を幅広く学ぶことができますからね。
ですがやはり一番気になることは建築科を卒業した後の就職先についてだと思います。
この記事では工業高校出身の僕が「工業高校の建築科の就職先と授業内容」について詳しく解説していきます。
建築士や建設業界に興味がある方はぜひ参考にしてみてくださいね。
工業高校の建築科の就職先とは?
工業高校の建築科の就職先には大手ゼネコン、建築事務所、ビルの管理会社、大工、市役所の建築専門の部署などがあります。
「ゼネコン」という言葉は聞きなれないと思うので少し説明すると、
「ゼネラル・コントラクターの略称で、建設物を建築する際の工事全体の作業を受け持つ総合建設業者」
となります。
ゼネコンは建設業界の元請けにあたるので、作業の一部を下請け業者に依頼することもゼネコンの仕事になります。
工業高校を卒業して大手ゼネコンに入社できることは、建築科はとても恵まれていると言っていいでしょう。
実は大手ゼネコンの場合、一流大学を卒業しても倍率が高いので採用試験に落ちることがあるのです。
また、建築科は他の工業高校の学科と違い、建築士の資格を取ることでキャリアアップするので、卒業後の資格取得に向けての勉強が大変かもしれません。
しかしいずれにしろ、大手ゼネコンに入社することができれば人生はほぼ安泰ですね。
ではなぜ、大手ゼネコンが工業高校の生徒を採用するのでしょうか。
その理由は、資格主義やキャリア志向の強い大卒の学生よりも、素直に業務や建築士としての仕事に専念してくれる印象があるからでしょう。
中途採用や大卒といった勉強を積むことで、その会社の理念や方針に従えない社員を採用することはある意味リスクと考えます。
それと比べて、初めて社会に出る建築の基礎を身に着けた工業高校生は、企業独自の経営理念に上手く馴染んでいける可能性が高くなります。
そして何より若い人材は仕事の覚えも早いため、難しい建築の技術を教育するにはとても適しているのだと考えられます。
工業高校建築科卒の学生は、このような観点で見れば企業にとってはダイヤの原石であるので大手ゼネコンに意外と入社しやすいのです。
また、建設関係の仕事は給料が高く、現場作業員でも生活が安定しているので建築科はおすすめです。
工業高校の建築科の授業内容とは?
工業高校の建築科の授業内容は、建築に関しての基礎を学びます。
いわゆる大工さんが持っているような職人的な知識になります。
大工道具の使い方から木材を切り出す大型機械の扱いまで、家を建てるプロセス全てを実習などを通して学びます。
また、建築学科でもう一つ重要な授業が、製図です。
これは空間把握能力がある学生でも必ず苦労する科目で、多くの生徒が挫折を味わいます。
この製図の課題をこなすために製図室にこもり、何度も図面を描き続けるといった光景は、もはや工業高校建築学科の風物詩と言えるでしょう。
そう言った苦労を重ねた3年間で基礎を学び、就職先に応募しても恥ずかしくない建築科卒の学生になるのです。
しかしながら、製図を書き続けるのが辛く、生涯を通して仕事としてやり続ける自信がないという学生も多々存在し、他の分野に進む学生もいます。
工業高校では学部に関係なく工業高校卒業生全員に応募資格のある求人がたくさんあるので、その辺は就職先がなくなると言った心配はありません。
就職を希望する学生全員が100%の就職率で就職し、内定のある状態で卒業を迎えます。
工業高校の建築科はどんな人が向いている?
工業高校の建築科に向いている人は、まずは建物が好きであること、そして建設の仕事に携わりたいという夢を持っていることです。
建築科に入学する生徒のほとんどは、一級建築士の資格取得を夢見ています。
自分で設計を手掛けた立派なビル、家、橋が世界のどこかに存在していることを考えると、夢が広がりますね。
建築業界は人気が高い業界のため、工業高校の他の学科と比べると建築科は偏差値が多少ですが高い傾向にあります。
また建築科は卒業後、2級建築士、1級建築士の資格取得のための試験勉強、また、建築士としての設計業務で製図作業を行わなければいけません。
製図は主にCADを使用します。
このように卒業後も建築士としての勉強は常につきものなので、生涯勉強を続けていく覚悟を持つ必要があります。
しかし、やはり一番必要なのは才能よりも情熱です。
工業高校の3年間必死に努力すれば立派なものになりますし、一人前になった頃には苦手な分野も克服し、立派な建築士として仕事をこなしていることでしょう。
工業高校の建築科に入学するメリットとデメリット
工業高校の建築科に入学するメリットはやはり、工業高校を卒業後にゼネコンへ入社できる可能性が高いということです。
ゼネコンだけでなく、建築事務所や、大工として活躍することも可能です。
高校生という若さで専門技術を学び、卒業する頃にものづくりの基礎ができていることは、企業にとってとても価値がある人材と言えます。
このように若さ一本で企業の信頼を勝ち取れるのは工業高校で建築を学ぶメリットでしょう。
一方でデメリットとしては、やむおえない理由で会社を辞めなければならなくなった際に転職がしづらいということです。
転職市場では企業の一つの指標として学歴の条件があるため、高卒という学歴で不利になり、転職時にキャリアアップすることが難しい場合があります。
しかしこれは社会の景気によりけりなので、景気が良い時だと不利にならないこともあるので一概には言えません。
ですが転職時には一般的に大卒の方が選べる企業の幅が広がることは覚えておきましょう。
工業高校の建築科を目指す学生へ
工業高校の建築科について色々書きましたが、工業高校を卒業して入社できる会社は建築関係に限らず、大手企業が多いです。
そして就職を希望する学生のほとんどが、優良企業に入社して社会で活躍していきます。
これは一般の4年生大学を卒業しただけではまずなし得ない、工業高校ならではの実績です。
それほど大手企業が工業高校を卒業する学生に期待をしており、ものづくりの基礎を若くして学んだ工業高校生を是非とも採用したいと毎年求人を出しているわけです。
大手企業に入社して長年働くことで人生豊かに暮らしていけることは、工業高校へ進学する学生には覚えておいてほしいです。
不景気の世の中では、大卒、大学院卒関係なく、会社の都合でリストラに合うケースは実に多いです。
みんなが進学するからという理由だけで大学受験に参加すると、その競争の激しさから圧倒され、受験勉強を諦める学生もたくさんいます。
大学へ入ってからも辞めてしまう学生もいるくらいです。
工業高校の生徒は、希望を持って頑張って勉強をすれば大手企業への就職が約束されていると言っても過言ではないため、とても恵まれているのです。
最後までお読み頂きありがとうございました。