この記事では、高卒就職で後悔しないために、知っておいた方が良い高校からの進路の選択肢についてまとめています。
今回は工業高校から高等専門学校へ編入した経験がある方に書いて頂きました。
ぜひ参考にしてみてください。
高校の先輩から
「大学行かなくて後悔している」
「高卒は給料が安い」
両親・先生等の大人から
「学歴社会だから大学は出ておかなきゃダメ」
「今就職したら後で絶対後悔する」
高卒で就職することを相談・情報収集すると、高卒で就職しないほうがいいというネガティブな意見を聞くことが多いですが、そんなことはありません。
高校から就職することは、立派な選択肢の一つです。
工業高校卒⇒高等専門学校編入学⇒就職
この筆者の経験も踏まえて、後悔しない進路選択をする方法をわかりやすく解説していきます。
現在の進路の選択肢を把握する
高卒で就職した場合に後悔してしまう理由の一つに、
「進路の選択肢を十分に把握できておらず、就職してしまうから」ということが挙げられます。
実はさまざまな選択肢の中から、選んだ進路は後で後悔する可能性は少ないです。
なぜなら、それぞれの選択肢の良いところ悪いところを考慮した上で、進路決定できるからです。
では、高卒の進路の選択肢はどんなものがあるのでしょうか。
就学中の高校生がとれる選択肢は大まかに下記のようになります。
高校から就職する場合の選択肢
一社で勤め上げる
これは一般的な考え方ですね。
高校から就職後、定年を迎えるまで同じ会社で働くということです。
しかし、これは一昔前主流だった考え方なのです。
現在ではこの考え方に固執しない方が将来のためになるかもしれません。
その理由は、経団連の会長が「終身雇用」を続けていくことは難しいと発言しているからです。
転職してキャリアアップしていく
IT業界(情報関連学科)の場合、能力がある人は学歴に関係なく2~3年周期で転職して年収も上がっていく文化があります。
正直高校から就職する人は、将来必ず学歴がついてまわると思います。
そんな学歴が関係ないIT業界は、高卒の人にとってキャリアアップできる環境であることは間違いないです。
対して、その他(化学・機械・電気等)の業界は、IT業界と比べてキャリアアップの窓口は狭い傾向にあります。
工業高校から就職する場合、これらの業界が多いですから就職先を探す際、後悔しないための目安にしてください。
社会人経験後、大学へ入学
「そんなことできるの?」
と思うかもしれませんが、社会人でも大学へ行くことは出来ます。
社会人経験3~4年程度で社会人特別入試(選考)という形で、入学を受付けている大学があるのです。
受験科目は小論文・面接のみ(ある程度TOEICの点数は必要)という学校が多く、高卒で就職したあとからでも、センター試験なしで20代前半に大学への入学が可能です。
社会人経験がある人が大学へ行く場合、気になるのは大学卒業後に就職できるかについてですよね。
大学へ4年通うわけですから、22歳で入学したと仮定しても、就職する時には26歳です。
それなりの年齢ですね。
しかし、心配いりません。
たしかに年齢が経過している分会社への評価は下がってしまいますが、社会人から大学へ行く人は少数なので貴重な人材です。
就職面接では、社会人の時に大学に行くことの重要さを感じて…と話せば必ず企業からの評価は高くなるでしょう。
学歴にコンプレックスを感じている人は、今まだ若い段階であれば思い切って大学へ行くのもありですよ。
高校から進学する場合の選択肢
大学、専門学校
私の周りの8割くらいの大卒生は、一生で一番遊んだのは大学生活と回答します。恐らく、この点が高卒就職で後悔する点になっていると思います。
また、高卒で就職する人より自由な時間がたくさんありますので、将来自分がなりたい人物像をゆっくり考えられることは、大学へ行くメリットになるでしょう。
大学へ行く場合は、何か目的をもって入学した方がいいです。
自由な時間がたくさんありますが、バイトや友人と遊ぶ生活ばかりを繰り返していてはどれだけ時間があっても足りません。
目的を持つことで自分が成長できますし、目的に対して4年間頑張ったことは就職面接で話すこともできます。
【大学に興味がある方へ】
国立高等専門学校(編入学)
これは筆者のルートです。
私は工業高校から国立高等専門学校へ編入学しました。
学費が安く、勉強尽くしの学生生活になりますが、就職希望者は100%就職することが可能です。
高卒の人より、給料はいいですからおすすめです。
また、大学の3年次に編入学するルートもあります。工業高校⇒高専⇒国立大学というルートも頑張り次第で可能です。
高卒で就職することのメリット
大卒より4年早く社会人になれること
これは見落としがちなメリットですが、大卒新入社員と社会人5年目の高卒社員(=同じ年齢)を比較した場合、ほぼ間違いなく社会人5年目の高卒社員の方が会社に対して貢献する能力が高いです。
言い方を変えると、社会に貢献する能力は社会で学ぶ方が明らかに効率は良いです。
人は環境に左右されるとよく言いますが、まさにその通りで、社会人の環境が人を成長させるのです。
私が知っている高卒の人と大卒の新卒を比べると明らかに人の厚みが違いますので、大学へ行った場合は多少幼稚になってしまうこともあるようです。
金銭面の心配がなくなること
社会人になれば、生活する上で十分な金銭が支給されます。
また、社員寮制度等の福利厚生がある場合も多いです。
計画的に貯蓄すれば、3年で100万円くらいは簡単に貯まります。
高卒の人は貯金が若い段階でできるため、若くして結婚する人が多いのもそのためです。
高卒で就職することのデメリット
転職(キャリアアップ)が難しい職場に配置される
ある程度規模の大きい会社の場合、学歴によって配置される職場が固定されています。
自身の化学工場の例ですが、
高卒:現場作業、事務
大卒:品質管理、営業、財務
大学院卒:研究開発
という形で配置されており、高卒は転職し難い(キャリアアップが難しい)職場に配置される場合が多いです。
高卒で就職する人の場合、多くは現場作業になります。
この点は、就職したあとに後悔することが多いので、進学か就職かの判断材料になるかと思います。
給料が低い
厚生労働省のデータでは、
大卒初任給:20.6万円
高卒5年目月収:18.2万円
見ての通りですが、学歴によって給与待遇が違います。
※参考
この給与待遇の違いが、大卒の最大のメリットと言えます。
反対に高卒の人が後悔してしまう最大の原因となるでしょう。
出会いが少ない
学生との比較になりますが、男女とも出会いが少なくなります。
理由としては、社会人は会社の枠を超えて人と関わることが少ないですが、学生の場合は枠にとらわれずに行動していることが多いです。
また、工場勤務の男性の場合さらに顕著です。
異性と触れ合うことは、時には自分を成長させる動機にもなりますので重要ですよね。
勉強できる環境がない
これはあくまで私の周りの例ですが、
・お金のかかる遊びに誘われることが多くなる
・入社3年くらいまでは、将来のことを考える人が少ない
・周りの友人が自己投資より、消費を好む
という傾向を非常に多く感じます。
自身のキャリアアップ(例:電気工事士の取得)学習をしたいと思っていても、想像以上に強い誘惑に誘われます。
気を使う人と接する機会が多い
これは大卒の人にも言えることですが、社会人になると関わりたくない人と関わらなければいけない場面が多くあります。
学生であれば、関わらないという選択は可能ですが、社会人はそういかない場合が多いです。
関わりたくない人が上司だった場合、避けては通れませんよね。
また、就業時間外で上司・先輩と食事に行く機会があるので、プライベートな場面でも気を使った食事が増えます。
会社員の運命とも言えますね。
高校からの進路に迷っている方へアドバイス
学生になって遊びたいと思っている人は、学生になって遊ぶのもありです。
本当に今しかできませんからね。
筆者の周りで、遊ばずに後悔している友人は多いです。
もし、高卒就職後にやりたいことが見つかったらどうしようと思っている人は、見つかったら会社を辞めて、奨学金を借りて大学に入学すればいいと思います。
会社が嫌で辞めたくなったらどうしようという人は、よほどブラックじゃない限りはやめない方が自分を成長させる選択です。
また、昔は一社で勤め上げることが重視されてきましたが、これからの時代は、自分自身に価値を見出すことが重視されていきます。
ですので、20代後半でも遅くはないので、消費(ギャンブル等)より自己投資(資格取得等)の考えを実践できれば学歴はさして気にならなくなるでしょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。