高校を卒業した後の進路について、
「高卒で就職するか、それとも専門学校へ進学するか」
この2択で悩んでいませんか?
専門学校へ行けば学費もかかるし、高卒で就職するのもまだ早い気がするし、進路が決められなくて悩んでしまいますよね。
僕も高校当時は同じことに悩まされていましたが、自分の将来なりたい姿や家庭環境を考えた結果、高卒で就職する決断をしました。
この記事では、
・高卒就職と専門学校進学どっちを選ぶべきか
・高卒就職と専門学校進学それぞれのメリットとデメリット
について詳しく解説していきます。
この記事があなたの進路選択のお役に立てれば幸いです。
高卒就職か専門学校進学かで迷ったらどっちを選ぶべき?
高校卒業後の進路について、高卒で就職するか専門学校へ進学するか悩む高校生も多いですが、
「絶対に○○を選ぶべき!」
という明確な答えは残念ながらありません。
なぜなら、高卒で就職した方がいい人と、専門学校へ進学した方がいい人がいるからです。
人それぞれ置かれている状況が違うため、一概にどちらがいいとは言えないのが正直なところなのです。
しかし、一つ言えることは、もし将来なりたい職業があるのなら専門学校へ行くべきでしょう。
専門学校へ進学したかったのに進学しなかった後悔は、高卒就職してから必ず後悔します。
また、このように将来必ずなりたい職業がある人は、その方向へ進めばいいのですが、問題は将来やりたいことが決まっていない人です。
自分が将来やりたいことと、多額の学費がかかることを天秤にかけた時、結局どっちに進むべきか悩んでしまうんですよね。
ここでは、あなたが進路決定する上で、高卒就職と専門学校進学どっちに進むべきなのか、判断するためのヒントを紹介します。
現在自分の置かれている状況と照らし合わせて見てみてください。
家庭の経済状況を把握する
進学を選んだ場合、入学金や授業料が必要になるので、多くの場合は親御さんにお金の面で頼ることになります。
まずは親御さんに進路についての相談をし、金銭的に進学する余裕があるのかを確認しておきましょう。
進学するための費用を快く出してくれると親が言ってくれた場合、初めて余裕を持って「高卒就職するか」「専門へ進学するか」を考えることができます。
仮に親から「家には進学させるお金がない」と言われてしまった場合は、素直に就職を選ぶか、奨学金を借りて進学することは可能か、あるいはアルバイトをして自分でお金を稼ぎながら専門学校で勉強することは可能かを考えなくてはいけません。
情報収集をする
進路を決めるにあたって、情報収集することはとても大切なことです。
インターネットから高卒で就職できる会社を探したり、高卒にお勧めの仕事を探してみたり、高卒で働いている人の本音などを探ってみるのも良いでしょう。
それと同時に、どんな専門学校があるのか、専門学校の種類、家から通いやすい専門学校はないか、専門学校の授業料はいくらかかるか、卒業生の就職先はどんなところが多いのかなど、専門学校に関する情報も集めてみると良いでしょう。
気になる専門学校を見つけたら、無料でパンフレットを取り寄せることも可能です。
色々と調べていくうちに、自分の場合は高卒で就職がいいのか、専門へ進学した方がいいのか気持ちが固まるかもしれません。
周囲の意見を聞く
大切な自分の将来のことなので、進路を自分1人で決めるよりも、多くの人の意見を聞いた方が正しい答えを導き出しやすくなります。
両親にだけ進路の相談するだけではなく、自分をよく知る友達に進路の相談をしたり、すでに就職や進学をした先輩や年上の兄弟の意見も聞いてみると良いでしょう。
自分では思いつかなかったメリットやデメリットに気づいたり、就職・進学したあとの生活がリアルにイメージできるようになり、自分の進むべき方向がだんだんと見えてくるでしょう。
学校の先生に相談に乗ってもらうのもお勧めです。
学校の先生は、今まで数多くの生徒たちの進路の決定に携わってきた経験がありますから、かつて同じような悩みを抱えている生徒も見てきていますし、学力を考慮した進路決定の方法も教えてくれます。
選択肢を計りにかける
自分の将来やりたいことがまだはっきりと分かっていなくても、心の中で「高卒就職」と「専門学校に進学」の2つを天秤にかけた時、心惹かれるのはどちらでしょうか?
少し話が脱線しますが、異性を好きになる時のことを考えてみてください。
明確にどこが好きなのかは分からないけど、直感的に心惹かれて、気づけば目で追ってしまっていた経験は誰しもあると思います。
直感は本能ですから、「こっちの道に進みたい!」と思った方が正解の道に近いのでしょう。
少しでも「進学したい」という気持ちがあったのに進学を断念してしまったら、高卒で就職して働き始めた後で、「やっぱり進学しておけばよかった」と後悔する日がやってきます。
もちろん、後悔から立て直すこともできますが、後悔しないに越したことはありません。
自分の直感に従う方法も悪くはないでしょう。
高卒就職のメリット
高卒で就職するメリットとデメリットを考えてみると、自分にとってどちらの進路に進むべきか答えが出やすくなります。
まずは高卒で就職するメリットから見ていきましょう。
10代からお金が稼げる
高校を卒業して就職すると、お金を稼ぐことができるので、誰にも遠慮することなく自分の給料から好きなものを買うことができます。
進学という道を選んでいたら、アルバイトをしても到底正社員として働いている金額に届く事はないでしょう。
10代でも、きちんと仕事を続けていればボーナスももらえます。
そのお金で両親に恩返しをするのもよし、友達や恋人と旅行に行くのも良し、貯金をするのも良し。
就職を選んだなら、進学を選んだ同世代の人よりもリッチな生活ができます。
大手企業に就職できる
高卒で就職となると、大手企業に就職できる可能性が高くなります。
高校には製造業の大手企業からたくさんの求人募集が届きます。
成績が良くなければ応募すらできないこともありますが、大企業に入れないとしても優良な中小企業には入ることができるでしょう。
一方で専門学校へ進学すると、大手企業への就職はかなり難しくなります。
高卒である程度の規模の会社に就職することができれば、将来安定して働くことができるでしょう。
学生の同世代に比べて大人になれる
社会人として働くと、それだけで精神的に成長することができます。
職場は学校の雰囲気とはガラリと違っていて、どんなに若くても、社会人として常識のある行動を求められます。
また、仕事自体は不慣れであっても、責任のある行動を取らなくてはいけません。
そんな環境の中、働く先輩たちの姿を見て社会人生活を続けていると、同世代の学生に比べて考え方も振る舞いも大人になれます。
高卒就職のデメリット
次に高卒で就職するデメリットについて説明しますね。
出世しにくい
仕事をしていく上で、周囲から評価されることはモチベーションにつながります。
勤務年数が増えると出世をして役職がつき、責任のある仕事を任されるかと思いきや、高卒で就職すると思うように出世ができない現実があります。
企業によっては、年功序列で勤務年数が長い人から出世できる会社もあれば、営業成績や能力を重視して、実力のある者に役職をつけるところもあります。
しかし、多くの会社は、高卒組はいつまで経っても出世できない仕組みになっているのです。
専門卒の場合も出世は困難であることが多いですが、特別なスキルや資格が身についている分給料は高く設定されており、出世をしなくとも高卒の収入を上回ることができるでしょう。
選べる職種が限られる
高卒の求人はたくさんあるとはいえ、専門性の高い仕事はほとんど選ぶことができません。
医療の道を志すなら、専門学校以上の学歴が必要となりますし、美容師、保育士、栄養士など専門職に就くためには、やはり専門学校へ進学して資格をとらないと従事することができません。
高卒で採用されやすい業種は、製造業やサービス業、地元企業の事務職など、専門性を持たなくても働ける仕事で、もしかすると自分のやりたい仕事や興味のある仕事が求人として出ていないかもしれません。
専門学校進学のメリット
ここまで高卒で就職するメリットとデメリットをお伝えしましたが、専門学校に進学するメリットはこのようなことが挙げられます。
高卒よりも仕事の幅が広がる
専門学校は、仕事に行かせる専門的な知識やスキルを身に付ける場です。
志した道に特化した授業を受けられるので、その道のプロフェッショナルとして活躍する道も開かれます。
就職活動で応募できる職種も、各専門学校で学んだ知識を生かせる専門性の高い職種にチャレンジできるなど、高卒に比べて選べる仕事の幅が広がります。
新しい友達ができる
専門学校に入学すると、そこでまた新たな出会いがあり、同じ目標を持つもの同士仲良くなれます。
高卒で社会人になってから新しい友達を作ることは難しく、小中高の友達以外の友人と過ごす時間はとても新鮮で貴重です。
学校帰りに遅い時間まで遊びに行ったり、お互いのアパートを行き来したり、高校生までと違った関わり方ができるので、大人になって専門学生時代を振り返った時、とても楽しい思い出として胸に刻まれることでしょう。
高卒より初任給が高い
履歴書に書く最終学歴が高卒よりワンランクアップすることで、多くの会社の規定により初任給が高卒よりも高く設定されています。
例えば、調理師の専門学校に入ったあとで、一般企業の事務職に就職することになったとしても、履歴書には専門学校卒と記載できるので、高卒よりも数千円〜1万円程度基本給が高くなります。
会社によっては資格手当がつく会社もあり、専門学校で取得した資格を役立てることができる会社に入れば、基本給の他に月々資格手当も発生することになります。
専門学校進学のデメリット
続いて、専門学校に進学した場合のデメリットを見ていきましょう。
金銭的な負担が大きい
専門学校に進学するためには、入学金と授業料、その他施設運営費などを支払わなくてはいけません。
平均的な専門学校の授業料は、年間で120万〜140万程度と言われています。
その他に学校や科によって入学金や施設運営費がかかり、専門性のある高度なスキルを身に付けられる専門学校ほど学費が高くなります。
その金額は国立の4年制大学の学費と変わらないこともあるくらいです。
進学先が自宅から通えない場所にある場合、アパート代や生活費も上乗せされます。
就職率が低い専門学校もある
専門学校の中には、就職に有利な資格を取得できる学校もあれば、必ずしもそうとは言えない学校もあります。
医療系の専門学校の場合は、就職率がほぼ100%と言われていますが、専門学校を卒業しただけでは就職に弱い職種もあるのです。
声優を養成するための専門学校や、イラストレーターを養成する専門学校など、国家資格の取得が出来ない専門学校は、希望する職種への就職率が低い傾向にあります。
高卒就職におすすめの業種・職種
高卒からの採用率、給与や働きやすさなどを鑑みて、高卒就職におすすめの業種・職種をピックアップしてみました。
製造業
製造業は高校生の求職者を対象とした求人を多数出しており、特に資格がなくても受け入れられやすい業種です。
さらに、高卒で従事できる職種の中では給料が高く設定されている業種でもあります。
大手の工場であるほど待遇は良く、給料も高い上、寮が完備されていたり、福利厚生も整っていて働きやすい環境が整っています。
製造業と一口に言っても、製造する製品によって仕事内容や働き方は違うので、自分の興味がある製品を製造する会社に勤めることができれば、やりがいを感じながら仕事をすることができるでしょう。
サービス業
製造業と同じく、サービス業も高卒者を歓迎してくれる業種です。
サービス業とは、飲食店から、ファッション業界、レジャー施設やホテルのフロントスタッフ、エステサロン、小売業など、これ以外にもまだまだありますが、人と対面して接客する仕事が主となります。
サービス業は、お客様の喜ぶ顔が間近で見られる仕事なので、やりがいを感じながら働くことができます。
また、サービス業の中だけでもたくさんのジャンルから選ぶことが出来るので、自分の興味のある業界の求人が見つかりやすいのではないでしょうか。
「好きこそ物の上手なれ」
ということわざがあるように、好きなものを仕事にすれば、それだけスキルアップする時間も早いはずです。
介護職
少子高齢化が進む現代では、介護職に従事する人材が不足していることもあって、資格を取得していない高卒であっても介護福祉施設への就職が可能です。
おすすめの理由は、介護福祉施設に就職すると、施設側が資格取得の補助をしてくれる場合が多いからです。
一般的に介護福祉士になるには、専門学校に進学して国家試験を受ける道を辿るのですが、3年以上の実務経験があると国家試験に挑戦する資格が与えられます。
国家資格を持っていると、転職にも有利になりますので、専門学校や大学に進学しなかった分の学費を浮かせて資格を取れるという面では、大きなメリットがあると言えるでしょう。
専門学校から就けるおすすめの業種・職種
専門学校に進学した人のほとんどが、将来の仕事に活かしたいと思って進学を志します。
ここでは就職しやすい業種や職種をまとめてみました。
医療業
専門学校から医療業への就職率は、ほぼ100%と言えるほど高い就職率を誇ります。
入学する時点で、看護師、理学療法士、作業療法士、歯科衛生士、検査技師等、学科が細分化されていて、その道の専門的な授業を受けて国家資格合格を目指します。
そして見事国家試験をパスした人は、それぞれの資格を活かした医療機関へと就職が決まっていくのです。
医療従事者となれば、他の業種に比べて年収が高いのはもちろんのこと、安定している仕事と認知されやすいので、世間体も良いでしょう。
医療は人を助ける仕事ですから、大変な業務ではありますが、患者さんが元気になった姿を見るたびにやりがいを感じられる仕事です。
理美容
理容師、美容師の専門学校を卒業し、国家資格を取ることができれば、美容業界での活躍が約束されたも同然です。
専門学校で美容師免許を取った人は、美容室のスタイリストとして活躍する以外にも、メイクアップアーティストや、まつ毛エクステを施すアイリスト、ネイリストとして活躍することも可能です。
近年、美容師免許を持つ人は多いですが、理容師を専攻する人が少なくなっているので、理容免許を持つ人は、理容室へ就職しやすくなっています。
美容室に比べると理容室の数は少ないのですが、理容師の持つ髭剃りの技術を求めるお客さんが多くいます。
また、日本在住のアフリカ人などは、美容師よりも理容師の技術の方が髪質に合うことから、理容室を好む傾向もあるのでまだまだ需要があるでしょう。
調理師・栄養士
食に関する専門学校からなれる調理師・栄養士もおすすめしたい職業の一つです。
調理師免許を取得するには、最短で1年で取得可能なので、学費を極力抑えて国家資格を取得したいと考える人にはおすすめの専攻科です。
就職先としては、ホテルのレストラン、ファミリーレストラン、居酒屋、中華料理屋、給食センター、社員食堂の調理師など、全国の食べ物を提供するお店ならどこでも働くことができます。
一方の栄養士の就職先は、幼稚園、食品メーカーなどが多く、さらに管理栄養士の資格を持っていると、病院や介護施設でのメニューを考えたり、アスリートへの栄養指導をすることもあります。
親に専門学校の学費を負担してもらうことは悪いことではない
専門学校に進学したい気持ちが芽生えたのに、金銭的な問題でなかなか親に言い出せない人もいるでしょう。
心優しい人ほど、自分のことよりも周囲の人を心配させないように、負担をかけないようにと考えて自分を抑えてしまうのです。
「専門学校に行きたいことを打ち明けたら、親に苦労させるんじゃないか?」
と考えて気持ちを封じ込めようとしているのなら、それはもったいないことです。
親に学費の負担をしてもらうことは、決して悪いことではありません。
進路に対する自分の気持ちを素直に親に話してみましょう。
多くの親御さんは、子供がやりたいことのためなら、全力でサポートしたいと思ってくれています。
自分の考えをきちんと話してくれて嬉しいと思ってくれるでしょう。
金銭的に専門学校に進学させる余裕はなかったとしても、奨学金を借りたり、教育ローンを申し込んでくれたり、自宅から通える専門学校を探してくれるかもしれません。
専門学校を卒業して社会人になったとき、感謝の気持ちを込めて親に恩返しが出来れば、立派になった我が子の姿を見て喜んでくれるはずです。
まとめ
「高卒後に就職か」
「専門学校へ進学か」
この2つの進路選びで人生が左右されると言っても過言ではないので、その狭間で毎日悩まされますよね。
しかし、これには答えがないのが正直なところです。
結局決め手となるのは、
・専門学校へ行ける環境にあるのか
・専門学校へ行く覚悟があるのか
この2つです。
もし将来本当になりたい職業があるのなら、親に金銭的な工面をしてもらいながらでも専門学校へ進学するべきです。
反対に、高卒で就職したくないという理由だけで専門学校へ進学しようとしているなら、進学するべきではありません。
あなたの大事な進路決定ですから、親や周囲にも相談して意見収集しましょう。
そして、最終的には
「自分で決めた道だから悔いはない!」
と覚悟を持って、進路決定するようにしましょう。
あなたの進路が良い選択になるよう応援しています。
最後までお読みいただきありがとうございました。