「銀行員は高収入で安定している」
ということは社会から認知されおり、大卒者の就職先としても、とても人気がある職業です。
真面目で賢く、堅いイメージがあることから、世間一般的には「銀行員は大卒の仕事」と思われていることも少なくありません。
ですが、そんな世間一般の考えとは裏腹に、
「高校卒業してすぐに銀行で働きたい人」
「高卒だけど転職で銀行に再就職したい人」
など、高卒でも銀行員に興味を抱いている人は多くいます。
そこでこの記事では「高卒でも銀行員になれるのか」「高卒が銀行員になるメリットやデメリット」について書いていきます。
高卒で銀行員になりたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。
高卒でも銀行員になれるの?
安定した職業で人気の高い銀行員は、大学卒でないと入社できないという決まりはありません。
銀行員として入社するために必要不可欠な資格などもありませんので、高卒で銀行員になるというのは珍しい話ではないのです。
特に近年では学歴よりも個人の能力を重要視している企業が多く、高卒でも銀行員として働けるような機会が多数設けられています。
そんな銀行員になるためには、高卒でも「新入社員」を募集している銀行を探すことから始めましょう。
高卒採用を行っているのは第二地方銀行と呼ばれる比較的規模の小さい銀行や信用金庫などが主流です。
小さい銀行ではあっても、採用する際には高い学力を求められます。
そのため、求人票には「大学卒もしくは同等の学力」といった記載があり、採用試験の際には基本科目や一般教養や金融に関する専門知識なども求められます。
「高卒でもOK」だからといって簡単に入られるということではないのです。
銀行員の中でも総合職と事務職・一般職というものがありますが、とりわけ採用の壁が高いのは総合職です。
字の通り銀行の業務を総合的にできるようになる仕事ですので、高い知能や必要な資格、応用力、コミュニケーション能力などさまざまなスキルが求められます。
総合職はスキルアップや昇進なども見込める仕事で、場合によってはよりランクの高い職場での勤務を行える可能性もあります。
もちろんその分給料も平均以上を見込むことができるでしょう。
ですが高卒の場合、そのレベルまで達する人はほんの一握りなのです。
大卒で就職した人ですら難しいと言われる総合職ですので、高卒で総合職として働こうと考えているならば基本能力はもちろんのこと、必要な資格や強い精神力も必要になります。
一方、事務職・一般職と呼ばれる職種の場合は書類整理などの事務業が主な仕事になります。
銀行内の事務サポートですので総合職のように忙しくはなく、さまざまなスキルを求められることもありません。
ですが昇進などはあまり期待できず、当然お給料も総合職よりは少なくなってしまいます。
自分の学力やスキルに自信があり、キャリアアップを目指しているのであれば総合職にチャレンジしてみるのもいいでしょう。
ですが高卒である場合、やはり就職できるのは第二地方銀行や信用金庫なので思い描いていたような銀行員としてのキャリアアップを望めないかもしれません。
まずは就職したい銀行がどのような場所にあり、どのような業務を行っているのかなどをリサーチしてイメージを沸かせてみるのもおすすめです。
高校新卒、転職のどちらでも銀行員になることは可能?
結論から言えばどちらでも可能です。
しかし新卒と転職ではバックアップの状態が違うため、条件によっては転職の場合厳しくなる可能性があります。
高卒採用を行っている銀行の求人を見てみると、「新卒採用」と記載されていることがありますが、当然転職での応募はできません。
この場合そもそも募集要項から外れているのです。
また、「新卒採用」という記載がない場合も暗黙のルールで「新卒のみ」の採用となっており、特に優れた能力を持っていない限り採用担当者は新卒だけを視野に入れるでしょう。
ここで言う優れた能力とは、冒頭に記述した「バックアップ」という部分になります。
高校新卒の場合、学校という大きなバックアップがあります。
その人物がどのような人物か、どのくらいの学力があるのかという情報を学校側が銀行へと提示することになっていますので、就職希望している人物を学校が保証していることになります。
しかし転職の場合、前職の会社は次の会社へ業績を提示してくれるわけがありません。
社会人になって転職する場合、自分の能力を証明するのは実績と実技だけなのです。
前職で「大きなプロジェクトを成功させた」といった目に見える実績はもちろん、「プロジェクトリーダーとして働き成功に導いた」というようなコミュニケーション能力などの目に見えない実績まで、自分という人物がどのような人物なのかという証明を自分でしなければいけません。
前職がアルバイトや無職であった場合、このような実績がないので筆記試験や面接で自分が優れた人物であるということを売り込む必要があります。
ですが、前職の履歴がほとんどない状態で、筆記や面接が成績優秀で採用されたという事例は実際にはなかなか見られないので、あくまでも可能性があるという話になります。
つまり、高卒で銀行員になるためには新卒が一番のチャンスなのです。
このチャンスを逃してしまえば次に銀行員になるためにはのちのち大学や専門学校へ通わなければならなくなってしまいます。
高卒の銀行員の年収ってどのくらい?
高卒であっても銀行員になればある程度の年収を得ることができるようになります。
一般的に高卒で就職した場合と比べても年収が倍以上になると言われているくらいです。
高卒での平均年収が手取り換算で150万円と言われている中で、高卒の銀行員になれば250万円~300万円と言われています。
詳しい金額などは公になっていませんが、高卒年収の中ではトップクラスといっても過言では無いでしょう。
ちなみに大卒・短大卒の場合、初年度の年収は250万円~300万円と高卒で入社した場合と変わりないのですが、大卒の場合は継続年数が進むに連れて昇進し、年収も増えていくという傾向にあります。
さらに、大卒の場合は大手銀行などでの就職が可能ですのでその年収も倍々に増えていくのです。
高卒の場合は、第二地方銀行などの小さな銀行にしか入ることができないと言われていますので、年収は年数をかけても大幅に上がることは無いでしょう。
しかし、業績によっては昇進することもあります。
昇進ができれば多少なりとも年収はアップしますので「退職するまでずっと同じ年収」ということではありません。
自分のスキルを存分に発揮すれば、大卒と勝るとも劣らない年収を得る事ができるでしょう。
高卒が銀行員になるメリットとデメリット
メリット
高卒で銀行員になるメリットは、国内でも比較的安定した職種に就くことができるということです。
近年では大企業であっても経営破綻してしまう事例が増えており、一般的な企業では安心感を得られないこともあるでしょう。
しかし銀行をはじめとする金融関係の業種になれば突然経営破綻したり、倒産したりというリスクが低くなります。
当然「絶対に潰れることはない」と言い切ることはできませんが、他の業種に比べても安定感のある職種です。
また、最近ではIT企業が増えておりそれに関連した会社も多数新入社員を公募しています。
しかし大手を除いたIT企業は、不安定な経営を行っている場合がほとんどですし、実際就職した人の中には「両親や親族の人に説明しにくい、説明しても理解を示してもらえず反対される」といった、仕事とは関係のない場所でのトラブルも起きがちです。
IT企業などは若い人に人気の職種ではありますが、実際に就職するにあたって家族の同意や理解を得るという事は案外外せないポイントとなるのです。
それとは反対に、「銀行員」という仕事は全世界で知られている職種ですので、こういったトラブルも起きにくくなるのです。
もう一つは、転勤が無いということです。
大手銀行で総合職として就職した場合、全国にある支店へ転勤となることがありますが、第二地方銀行などでは基本的に転勤は考えられません。
もしあったとしても近隣エリアの支店への転勤程度でしょう。
同じ場所でずっと生活したいという人にとって、安定した職業を続けられるというのはなによりもメリットになるでしょう。
そしてやはり「銀行員になる」ということは、自分の能力に自信を持つことができるというメリットがあります。
地方銀行だとしてもその採用基準はとても高く、誰でも就職できるという職業ではありません。
ですので、高卒で採用された場合、あなたの能力がとても高く評価されたという事で自信を持って働くことができるでしょう。
もしも途中で別の職種に就きたいと考えたとしても、「銀行勤務」という職歴はとても強いバックアップとなります。
銀行勤務ができるほどの能力を持っているのであれば、どの企業でも気を引くことができるでしょう。
デメリット
高卒で銀行員になるデメリットは、日本を代表するようなメガバンクと呼ばれる大手の銀行では、なかなか高卒での採用は見られないという事が挙げられます。
高卒採用を行う銀行のほとんどは、地方銀行や信用金庫などになっており、大手企業で出世コースを狙いたいという人にはあまりおすすめできません。
また、前述した通り高卒と大卒・専門学校卒では支払われる給料も大幅に変わります。
これもデメリットの一つになります。
場合によっては比較して劣等感を覚えてしまうこともあるかもしれません。
劣等感は仕事における一番心が折れてしまう原因になります。
また、高卒で銀行員になる時には、平均以上の学力が必要になることもある意味デメリットと言えるでしょう。
基本教科だけでなく一般教養や面接での印象なども必要で、総合的に見て能力の高い人だけが採用されるため、ハードルが高くなってしまうのです。
最後までお読み頂きありがとうございました。