特に将来の目標も定まっておらず、進学校も視野に入れていない場合、中学卒業後の進路で普通科と工業高校のどちらへ進むべきか迷っていることが多いでしょう。
そもそも普通科とはどのような学科なのかわからないし、工業高校は印象が悪いという意見もあります。
そんな人たちに普通科高校と工業高校に進学するメリットをそれぞれご紹介していきますね。
高校はあくまでも将来の就職につなげるプロセスの一環です。
将来の夢がはっきり定まっていない場合でも、なんとなくの希望を固めていきましょう。
高校進学の進路に迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
普通科へ進学するメリット
特定の将来目標が定まっていないけれど、とりあえず大学には進みたいと考えている場合は普通科を選ぶ事をおすすめします。
大学や専門学校へ進学希望の人におすすめ
普通科の高校では、一般的な大学や専門学校へ進学するための授業を行いますので、大学受験のための基礎知識を学ぶことには有利です。
工業高校でも基本5教科の授業はありますが、専門分野の授業もあるので基本教科の授業日数がかなり少なくなります。
また、授業で取り扱う範囲もかなり違いがあります。
工業高校出身の人と普通科高校出身の人では習った分野が違うというのはよくある話です。
そのため、大学受験を希望するのであれば、工業高校よりも普通科高校をおすすめするのです。
基本教科の基礎学力さえあれば、ある程度の専門学校への進学にも有利となります。
部活動に参加して記録を残したりしていれば推薦で大学に入学することもできるようになります。
推薦や特待生として入学希望であれば、水準以上の学力と素行の良さが必要になります。
素行の評価は授業態度や提出物、行事に対する意欲なども評価対象となりますので、学校行事などには積極的に参加するように心がけましょう。
大学の希望学科によっては他にも必要となる条件があります。
体育系の大学に進学希望であればスポーツでの入賞や成績が必要です。
芸術系の大学であれば技術力も試されることもあり、自分の作品をポートレートにまとめて提出するという必要も求められます。
また、専門学校になればその学校への志望動機も重要なポイントになります。
自分の気持ちを最大限に表せるようになるためにも、高校3年間で気持ちを固めましょう。
就職を希望することも可能
普通科では就職を希望する事も可能です。
職種もさまざまで勤務地もある程度自由に選ぶことができるので、高校3年間でゆっくり自分の目標を決められるメリットがあります。
また普通科であればオールマイティーな能力が期待できるため、求人を出していなくても問い合わせたら面接を受けてくれるという可能性も高いのです。
就職と進学、どちらの道も3年間しっかり考えることができるという点は普通科の大きなメリットです。
中学3年生の時点と高校3年生の時点では考え方が大きく変わることもおかしくありません。
3年間でいろいろな体験をして目標を見つけましょう。
工業高校へ進学するメリット
工業高校の一番のメリットは、高卒でも就職率が非常に高いことです。
そしてその就職の中でも大企業と呼ばれる会社に就職することができたり、普通科卒業では入社できない技術系の会社に就職できたりと、就職に対してのポテンシャルがかなり高くなっています。
その他にも大きなメリットが多い工業高校は就職を希望している人、特に専門職や高給の仕事を希望している人におすすめなのです。
専門職の仕事ができる
工業高校では技術系の資格を取得するサポートを行っています。
通常であれば、専門学校や実務経験がなければ受験することができない資格試験も受けることができますので、高校卒業時には普通科の人よりも就職に有利な経歴を持っている状態になります。
職種によっては特定の資格保有者だけが作業できるものもあり、その場合給料も高額になりますので希望通りの進路に進むことが可能になるのです。
こうした技術系の資格はたとえ大卒であっても実務経験がないと取得できないものも多いため、場合によっては大卒よりも良い企業で働くことも不可能ではありません。
収入の多い大企業へ就職できる
専門職でなくても工業高校へ来る求人票の中には知名度の高い大企業からのものもあります。
普通科の高校には出ない企業のものもあり、成績・素行優秀であれば難なく就職することができるほど有利です。
大企業に無事就職できたら大卒と変わらない給料と待遇で働けるので、一般企業へ就職した人よりも良い進路を進むことができるでしょう。
部活動に力を入れたい人にもメリットが
中学までに何らかの分野で活動していた人の中には、
「より高い技術を磨きたい!」
とその部活動が有名な高校を選択肢に入れると思います。
特にスポーツ競技の中には工業高校にも有名なチームが存在しています。
チーム成績や環境は自由度の高い私立高校のほうが有名になりますが、誰もが私立高校に入学できるわけではありません。
そんな中、県立の学校でスポーツの成績が優秀なのは工業高校の割合が多くなっています。
最近ではeスポーツなどの新設の分野にも手を広げている学校も増えており、選択肢の一つになっています。
部活動に参加して優秀な成績を残せばそれだけで就職時に有利となりますし、特に優れていると判断された場合は企業からスカウトされたり、プロ選手としてスカウトされることも夢ではありません。
実際無名の工業高校出身のプロスポーツ選手も多数いますので、決してありえない話ではないのです。
進路に正解はない!
中学3年生の時点で将来を見据えた進学をするというのは無茶な話かもしれません。
明確に将来設計をしている人や、目的があって希望する学校がある人は特に悩むことはないのですが、そんな人は数えるほどしかいないでしょう。
進路や将来設計が不安定だったり、なんのビジョンも浮かんでいないということは当たり前のことなので、深く悩む必要もありません。
正直な話、自分の成績で入れる学校に入るというのも方法のひとつです。
進学さえすれば自分の知らない世界が広がっていて、自分のやりたい事を見つけるきっかけになるでしょう。
高校生になって気になる部活を始めたり、新しい友達を作って新しい趣味を持ったりするのも将来につながることとなるのです。
迷ったら今気になることを優先しても大丈夫
中学の成績が良く、選べる学校数が多数ある場合、その学校の授業内容や部活動、行事などを見ている内に気になる項目を発見することができるでしょう。
また、その時好きなもの、やりたいことなども優先して選んでも大丈夫です。
その道を進み続けることも、別の道を探すことも本人の自由ですので、あまり深く考えずストレスのかからない道を選ぶことを優先しましょう。
周囲の意見も聞いてみる
どうしても進路に迷った場合、先生や家族、友達に相談して意見を聞いてみるのも一つの解決策です。
最近ではSNSを通じて、他の地域にいる人や年齢の離れた人と交流する事も多いですよね。
そんなときに他人に意見を聞くことができれば、自分がどうしたいか、またはどうなりたくないかを見つけるきっかけになるでしょう。
「進路は自分だけで決めるもので、周囲から指図されたくない!」
と思うかもしれませんが、あなたを客観視した場合の「適合性や知らない自分を見つけるチャンス」になります。
ぜひ他人の意見も聞いてみて自分には何が合っているのか、また自分の考えは世間で通用するのかを考えて見てください。
進路は一つではなく、多数の正解があります。
その道が本当に正しいかは誰も決める事はできないのです。
最後までお読み頂きありがとうございました。