「工業高校」と聞いて、あなたはどのようなイメージをしますか?
「就職率が良い学校って聞いたことある!」
「なんだか不良が多そうで怖そうな学校だ」
など、工業高校を知らない方はこのようなイメージをお持ちではないですか?
しかし、工業高校に対する「世間一般のイメージ」と「実際」では、異なるところが多くあります。
そこでこの記事では「工業高校のあるある」について工業高校出身の僕が経験してきたことを書いていきます。
ですが、単にあるあるを書いていくだけではおもしろくありませんので、工業高校に興味がある人にとって「タメになる情報」に焦点をあてて書いていきますね。
工業高校のあるあるは、基本的にどこの工業高校にも当てはまるので、とても参考にしやすいと思います。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
まじめな学生が多い
工業高校は「不良が多い」というイメージを持たれている方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、世間のイメージとは違い、工業高校生は意外とまじめな生徒が多いです。
工業高校は他の高校と比べて部活動が盛んであり、部活動にまじめに取り組んでいる人が多くいます。
運動部の中に、国内でも有数の実力者がいることはあるあるです。
工業高校は、部活動の他に資格取得も盛んです。
就職の際、他の受験生より有利になるために、資格取得には多くの生徒が力を入れています。
放課後から夜遅くまで、資格の勉強をしている人がいるくらいです。
企業でも即戦力となる危険物取扱者乙種4類や電気工事士などの資格は、大人でも取得が難しいと言われますが、工業高校では合格率がかなり高くなっています。
合格率が高い理由の一つのとして、
「試験勉強を教えてくれる先生は、資格ごとに担当が分かれている」
ということが挙げられます。
より深い専門知識を持った先生から教わることができるため、自然と合格率も上がるのです。
資格を担当する先生は、試験の傾向をつかんでいるので、出題されそうな問題をある程度把握しています。
重要箇所を重点的に教えてもらうことができるため、勉強の効率が良く、資格を取得することができるのです。
このように、部活動や資格取得に工業高校生はまじめに取り組んでいるのが一般的なのです。
しかし、まじめな工業高校生の日常では、こんな場面もあります。
授業中にとある野球部の生徒が、
「せんせ~い、暑いので上の服脱いで授業受けていいですかー」
と聞くと、
先生は「俺の授業だけだぞー」
と、こんな感じに実際に上半身裸で授業を受けたりしていました。
普通科高校ではなかなかありえないことが、工業高校では普通にありえてしまいます。
工業高校生はONとOFFをしっかり切り替えられる人が多く、基本的にはまじめですが、愛らしい一面もあるのです。
女子生徒が少ない
デザイン、建築関係の学科がある工業高校の場合は、比較的女子生徒は多くなりますが、学校によっては女子生徒が少ない学校があり、全学年で数人しかいない場合もあります。
このような工業高校は男子校に近い環境なため、青春映画のようなキラキラした日常はなかなか無いのが実情です。
工業高校でも彼女ができる人はいますが、ごく一部の人と考えてもいい程少数なのです。
もし仮に彼女が出来たとしても、クラスの男共からいじられている人を何人か見てきました。
彼女を作る際は「覚悟が必要」ということです。
また、時には下校中に普通科高校の男女グループとすれ違うことがあります。
そんな時は次の日学校休みたくなるほど羨ましく見えてしまうので、僕はあまり見ないようにしていました。
一度も休まず学校に3年間通うと皆勤賞がもらえ、就職に有利になるので頑張って行ってましたが…。
また、工業高校のあるあるとして、入学当初は可愛くないと思っていた女子が、だんだん可愛く見えてくることがあります。
この症状を僕らの高校では「工業病」と呼んでいました。
高校当時、僕と同クラスだった友人が
「最近女子が全員可愛く見えるんだけど」
と言っていましたので、これは完全に工業病だと当時の僕は思いました。
しかし、こんな男ばかりの工業高校でも良いところはあります。
クラス全員男なので仲がいい人が多く、僕は中学の時と比べて友人が倍以上増えました。
友人が増えたおかげで、社会人になった今でも当時仲が良かった友人とよく遊んでいます。
工業高校に入学して3ヶ月も経てば、中学の時にクラスに女子がいた感覚を忘れてしまいます。
そして女子とは無縁な日常を送る場合もあります。
しかし、僕が経験して分かったことは、女子がいなくても高校生活は充分楽しめるということです。
実習レポートがめんどくさい
工業高校では専門的な技術を学ぶ「実習」と呼ばれる授業が週に3~6時間ほどあります。
ただ実習するだけで終われば嬉しいのですが、実習で学んだことを毎週レポートにまとめ、先生に提出しなければなりません。
毎週レポートを書くことはかなり大変で、レポート用紙(A4用紙)に4、5枚は毎週書かなくてはなりません。
そのため、意外と工業高校生は忙しいのです。
実習レポートの提出をしない場合は単位がもらえないことがあり、レポートの枚数によって成績を評価している先生もいるので、サボることができないのです。
僕は機械科出身ですので、主な機械科の実習内容を紹介しますね。
・旋盤加工
・フライス盤加工
・ボール盤加工
・アーク溶接
・ガス溶接
・鋳造
・鍛造
・CAD
・プログラミングの基礎
など、機械科の実習は基本的に実技が多いです。
工業高校生は、実習レポートと定期テストの時期がかぶったときはかなり忙しいです。
定期テストの勉強(普通科目に加えて専門科目の勉強)+実習レポートとなります。
この時期が就職活動の次に大変な時期と考えても良いでしょう。
各種イベントが盛り上がる
僕が通っていた工業高校では文化祭、球技大会、体育祭が年に一回開催されていました。
工業高校で行われるイベントは、男ばかりなので基本的に全て盛り上がります。
今回はイベントの中でも特に盛り上がる、文化祭と球技大会の内容について書いていきますね。
文化祭
工業高校の文化祭が盛り上がる理由は、何といっても他校の女子がたくさん来ることでしょう。
工業高校に通う男子は、はっきり言って女子に飢えています。
他校の女子と触れ合うことができる、年に一回のチャンスなので、盛り上がるのも当然ですね。
文化祭の中でも、特に高校生バンドのライブは、どこの高校でも共通して盛り上がります。
僕の友人も、友人同士でロックバンドを組んでいたので、文化祭で披露している時は一緒になって飛び跳ねていました。
「これぞ青春!」って感じ。
今でも記憶に残っています。
球技大会
工業高校の球技大会は、男同士の白熱した試合になるのでめちゃめちゃ盛り上がります。
工業高校生は、もともと運動神経が良い人が多く、自然と競技のレベルが上がるのです。
また、負けず嫌いな人が多く、なんとしても勝ちたい気持ちで溢れています。
僕が3年生の時の球技大会の種目はサッカーだったのですが、優勝するためにクラス全員で毎朝練習をしていました。
ちなみに球技大会本番はおもいっきり初戦で敗退しましたが、とても良い思い出になりました。
専門科目が難しい
普通科高校などとは違い、工業高校では工業に関する専門科目の授業があります。
この専門科目の授業は、まじめに聞いていても理解するのが難しいです。
機械科の専門科目は以下があります。
・自動車工学
・機械設計
・機械工作
・生産システム技術
・原動機
見るからに難しそうですよね。
授業を少しでも聞き逃すと理解できなくなってしまうことがあるので、専門科目の授業は特にまじめに聞いておいたほうが良いです。
僕の友人のほとんどは、授業に置いていかれてしまい、専門科目のテストでは赤点をとってしまうケースがよくありました。
工業高校の授業の進むペースは、普通科高校と比べゆっくりだと言われますが、専門科目は要注意です。
部活動が楽しい
これから高校生になる人は、よっぽどの理由がない限り必ず部活動に入りましょう。
高校の部活動はすごく楽しく、友人もたくさん出来ますし、将来大人になったときに必ず良い思い出になります。
僕は工業高校当時、勉強は二の次で部活動に熱中する日々を過ごしていました。
実際に経験して感じた「工業高校の部活動が楽しい理由」について2つあげてみました。
楽しい理由①
1つ目の理由は、夜遅くまで部活動ができることです。
僕は高校当時サッカー部でキャプテンをしていました。
部活動が終わったあと、自主練を20時くらいまでしていた記憶があります。
先生の方が生徒より帰るが早いことも多々ありました。
僕の高校時代は、部活動終了後に毎日友人と夜遅くまでサッカーをする生活をしていました。
この自主練をしている時が、僕の高校時代で一番楽しい時間でしたね。
高校当時、普通科高校に通っていた友人は「工業高校みたいに夜遅くまで部活ができない」と言っていましたが、実際に普通科高校のホームページを見てみると、部活動の時間は18時30分までと書かれていました。
工業高校に通っていた僕の感覚では、やはり普通科高校は「活動時間が短かすぎる」と感じてしまいます。
工業高校の部活動は、普通科高校と違い、長い時間思う存分楽しむことができるのです。
楽しい理由②
2つ目の理由は、トレーニングルームの筋トレ器具が充実していることです。
工業高校ではあるあるなのですが、中規模のジム並みに筋トレ器具が揃っていることがあります。
先程も少し書きましたが、工業高校は部活動が盛んなため、トレーニングルームも充実しているのです。
サッカー部の友人と、サッカーの話をしながら筋トレを一緒にしている時間は、最高に楽しかった思い出となっています。
校則が厳しい
工業高校の校則は、普通科高校と比べてかなり厳しいです。
工業高校のあるあるの中では一番有名で、校則の厳しさはどこの工業高校にも共通します。
実際に僕が通っていた工業高校の頭髪・服装検査を紹介します。
以下に一つでも当てはまる場合、一発レッドカード「反省文10枚+挨拶運動」でした。
・長髪
・茶髪
・ピアス
・細い眉毛
・変形学生服
続いてイエローカードの例をご紹介します。
次回検査で連続2枚もらうとレッドカード「反省文10枚+挨拶運動」になります。
・前髪が目にかかっている
・横髪が耳にかかっている
・えり足が学生服のえりにかかっている
僕は高校当時、前髪が長かったので、反省文と挨拶運動を何回も経験させていただきました。
工業高校では、頭髪・服装検査という厳しい試練を、避けては通れないのです。
就職間近になると空気がピリピリする
工業高校は、3年生になるとすぐに就職試験モードに入ります。
高校生の就職試験は一般的に9月に集中しており、就職試験が近づくに連れて、クラス内はピリピリした空気になっていきます。
試験勉強のために、夏前に部活動を引退する人も珍しくありません。
また、3年生の夏休みは、履歴書を書いたり面接練習をするので休みが少なく、面接練習は特に長い時間かけて行います。
これは高校生の就職試験では面接が重要視されるためで、志望動機、長所、短所などを完璧に言えるようになるまでみっちり練習を行うのです。
筆記試験の対策は、これまでの工業高校生が受けた企業の過去問題が、進路室に莫大な量保管してありますので、それを見て勉強すればOKです。
就職試験が終わると、出題された問題を書面にまとめて、学校に提出します。
こうして工業高校の就職試験過去問題集は作り上げられていくのです。
まとめ
工業高校は男ばかりですが、とても楽しい学校です。
工業高校は校則など厳しい面もありますが、工業高校でしか味わえない楽しいことがたくさんありますので、個人的にはおすすめです。
今回は工業高校あるあるについて、僕の経験談を織り交ぜて書きました。
どこの工業高校にも少なからず当てはまると思いますので、参考にしていただければ幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。