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    機械科から就職できる会社とは?おすすめの就職先を卒業生が教えます

    機械科から就職できる会社とは?おすすめの就職先を卒業生が教えます

    「工業高校の機械科から就職できる会社は何があるんだろう?」

    機械科に入学を考えている学生は、必ず気になることではないでしょうか。

    僕も高校生の頃は、就職先についてかなり調べましたので気持ちがよく分かります。

    この記事では、「機械科から就職できる会社」について詳しく書いていきます。

    僕は実際に工業高校の機械科に在学し、その後就職した経験がありますので、その経験を活かして「おすすめの就職先」についてもご紹介します。

    工業高校の機械科に入学を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

    目次

    機械科の就職先にはどんな会社がある?

    まず大前提として機械科の主な就職先は製造業になります。

    製造業とは、言葉の通りものづくりを行っている業界で、日本全国に製造業を行っている会社は非常にたくさんあります。

    自動車業界を例に挙げると、

    ・自動車を組み立てている会社

    ・自動車部品を製造している会社

    ・自動車部品を製造するための材料(鉄やアルミなど)を製造している会社

    などがあります。

    自動車業界ひとつ例にとっても、たくさんの会社があることが分かりますね。

    この一つ一つの会社が、私たちの生活を陰で支えているのです。

    機械科の就職先は、製造業を行っているさまざまな会社になるのですが、今回は大手メーカーに絞ってお話しますね。

     

    機械科から就職できる大手メーカーは下記があります。

    ・自動車メーカー

    ・自動車部品製造メーカー

    ・ガス石油などのエネルギーメーカー

    ・鉄鋼メーカー

    ・造船メーカー

    ・化学メーカー

    ・産業機械メーカー

    などがあり、ここではリアルな会社名は出せないですが、これらの会社は、あなたがテレビのCMや広告で一度は見たり聞いたりしたことがある大手メーカーが多いです。

    愛知県に本社を置く、世界的に有名な大手自動車メーカーやその第一下請けの大手部品メーカーへも機械科から就職できるのです。

    とても夢がありますね。

     

    機械科の就職先の中でも僕のおすすめのメーカーは、

    ・自動車メーカー

    化学メーカー

    ・産業機械メーカー

    などです。

    なぜなら収入面や福利厚生、職場環境がしっかりしているからです。

    全てにおいて高水準であることは間違いなく、同じ会社で長く勤めることを考えると、将来のワークライフバランスを一番満足できる就職先になります。

    機械科は大手メーカーに就職できるチャンスがありますが、当然このような大手メーカーは工業高校の中でも人気が高いため、就職するには工業高校で上位の成績を修める必要があります。

    また、大手メーカーに就職を考えている学生さんは、一つ気を付けてほしいことがあります。

    それは、工業高校の求人は地域によって異なるということです。

     

    例えば、あなたが自動車メーカーに就職したいとしましょう。

    しかし、あなたの地元の工業高校には、自動車メーカーの求人がないという可能性があるのです。

    もし求人がない場合、自動車メーカーへの就職を諦めてその工業高校へ入学するか、もしくは自動車メーカーの求人がある工業高校に入学するか、のどちらかを選ぶ必要があります。

    工業高校に入学する前に、あなたの地元の工業高校ホームページ進路情報を必ず確認するようにしてください。

    その工業高校から毎年就職している人がいる企業は、工業高校にこれからも求人があると考えて問題ないでしょう。

     

    ちなみに、機械系のお仕事については、こちら(機械系の仕事)が分かりやすいです。

    ぜひ、参考にしてみてください。

     

    機械科から就職した場合の仕事内容

    機械科の大半の人が、製造業に就職するということは先ほどお話しましたが、製造業の中にはさまざまな仕事があります。

    商品企画、開発、設計、調達、製造、検査、営業販売などです。

    機械科から就職した場合の仕事内容を書く前に、製造業の知識として、まずは製造業の一般的なものづくりの流れを簡単に説明させてください。

    製造業の流れは、

    1.商品企画部門でどんな商品が売れるかを考える。(アイデア提案)

    2.開発部門でアイデアを商品化する。(試作、試験を行う)

    3.設計部門で商品を実際に作るための製作図面を書く。

    4.調達部門で商品の材料を調達する。

    5.製造部門で商品を製造する。

    6.品質管理部門で商品に異常や欠陥がないかを検査する。

    7.営業部門で商品をお客に販売する

    このような流れで製造業のものづくりは行われています。

     

    さてここから本題に入ります。

    機械科から就職した場合の仕事内容ですが、多くの人は製造部門で働くことになります。

    製造部門の仕事内容はさまざまですが、金属を溶かして金属同士をくっつける溶接作業や、金属を削る切削研削作業、機械などの組立作業があります。

    製造部門は、製造会社の中でも直接ものづくりをしている重要な部門になります。

    時には高い技術が求められますが、近年ではITやロボットの普及により、機械オペレーターの仕事が増えています。

    最新の機械やロボットなどの普及率は企業規模によって違い、企業規模が大きくなればなるほど普及率は上がる傾向にあります。

    と言っても、ものづくりの製造工程ではまだまだ人間にしかできない作業がありますので、機械科の需要はまだまだあると考えて良いでしょう。

    また、ものづくりが大好きな人は設計の仕事をするのもおすすめです。

    近年AIやロボットが普及していますが、設計の仕事は人間のセンスが必要で、将来なくなることがないのもおすすめのポイントです。

     

    機械科の実習内容

    工業高校のすべての学科で実習がありますが、機械科の実習は直接ものづくりに関わることが多いです。

    実習の中には危険な作業もありますが、僕の経験上機械科は他の学科に比べてやりがいがあり、楽しいです。

    工業高校では、座学で専門知識を学び、実習ではものづくりの技術を身に着けます。

    それでは工業高校機械科の一般的な実習内容について説明していきます。

    旋盤(せんばん)実習

    旋盤とは、削りたい金属材料を回転させ、専用工具を用いて機械加工をする工作機械です。

    旋盤は工作機械の中では有名で、他の工作機械には、研削盤やフライス盤といったものもあります。

    旋盤実習は、人によって向き不向きがあり、繊細な人は上手く加工できますが、大雑把な性格の人は苦戦するかもしれません。

    また、棒状の鋼材を、自分の思った通りの形状に加工できた時はとても嬉しいです。

    溶接実習

    溶接とは、金属同士を熱で溶かして結合させることを言います。

    溶接実習は2種類あり、アーク溶接とガス溶接です。

    アーク溶接は、放電現象を利用し、電気の熱で金属を溶かします。

    ガス溶接は、言葉の通り可燃性のガスを燃やした時に発生する熱で金属を溶かします。

    僕の溶接実習の思い出で、アーク溶接をする際に電気を起こすのですが、感電するのではないかと少し不安だった思い出があります。

    ちなみに普通に作業していれば感電することはありません。

    ガス溶接では煤(すす)と呼ばれる黒い物体が工場を舞います。

    ガス溶接をした後は、作業着や顔が煤で真っ黒になることも…。

    鋳造(ちゅうぞう)実習

    鋳造とは、溶かした金属材料を鋳型に流し込み、成型する方法です。

    鋳型には、金型や砂型などがあります。

    僕が通っていた工業高校の鋳造実習は、砂型作りから始まり、炉で溶かした金属材料を砂型に流し込み、成型しました。

    工業高校の中には、鋳造の実習を行っていない高校もあると聞いたことがあります。

    鍛造(たんぞう)実習

    鍛造とは、金属を高温で熱し、金づちなどで叩いて成型する方法です。

    例えるなら、日本刀職人が熱した刀を叩いて成型するイメージです。

    僕の鍛造実習は真夏だったので、熱せられた金属を叩くことはホントに暑くて大変だった思い出があります。

    CAD(キャド)実習

    CADとは、コンピュータを利用して図面を書くことです。

    手書きで行う製図をコンピュータで行うイメージです。

    CADは、立体構造の3D CADと平面的な2D CADがあり、実習ではどちらも行うことが一般的です。

    世の中の主流は3D CADですが、昔の図面を大量に保有している会社は、今でも2D CADを使用している事があります。

    また、CAD実習をきっかけにCADを嫌いになってしまう人もいます。

    コンピュータに不慣れな人がCADを操作すると苦戦し、

    「CAD難しい!」⇒「CAD嫌い!」⇒「設計の仕事は難しくてやりたくない!」

    となる人がたくさんいるのです。

     

    機械科に向いている学生

    機械科に向いている学生は、とにかくものづくりが好きな人です。

    先ほど機械科の実習内容についてお話しましたが、ものづくりが好きな人にとって機械科の実習は最高に楽しいですし、他の学科ではものづくりについて機械科ほど学びません。

    反対にものづくりに興味がない人は向いていませんので、機械科へ入学する場合は、

    「一生ものづくりに携わるんだ!」

    という覚悟を持って入学することをおすすめします。

    また、電気配線やプログラミングなどの作業より、機械の組立や溶接、旋盤、機械オペレーターなどの直接ものづくり関わる仕事に興味がある方にはおすすめの学科です。

    僕はものづくりに興味があって機械科に入学しましたが、CADの実習時間はとても楽しかった思い出があります。

    「もう授業おわり?」

    というくらい時間が経つのが速かったです。

    高校当時の僕は、自分の頭の中でイメージしたものをCADを使って3D構造で形にしたり、図面を書くことに夢中になっていました。

     

    機械科の倍率は他の学科より高い!?

    一般的に工業高校の機械科の倍率は、他の学科に比べて高いです。

    工業高校は機械科の他に、電気科や建築科、工業化学科などがありますが、

    「機械科だけ倍率が高く、他の学科は定員割れしている」

    ということも珍しくないのです。

    機械科が人気の理由は2つあります。

    1.ものづくりに興味のある学生は工業高校に入学しますが、中でも機械科はものづくりに特化している学科だから

    2.機械科の求人数は他の学科よりも多いから

    求人票の中には「機械科指定」の求人も多くあるため、就職で有利になることから人気があるのも当然ですね。

     

    まとめ

    ここまで機械科の就職先や実習内容について書きましたが、少しでも参考になりましたでしょうか。

    僕が機械科出身なのでよく分かるのですが、機械科は就職先は幅広くありますし、就職して仕事が始まったときに機械科で得た知識はかなり役に立ちます。

    機械科の特徴についてまとめると、

    大手メーカーからの求人が多数

    ・組立、溶接、機械オペレーター、設計などのものづくりに関わる仕事内容を幅広く選ぶことができる。

    機械科の実習は、他の学科と比べて直接ものづくりに関わることが多いため楽しい

    となります。

    工業高校に進学を考えている方は、ぜひ機械科を検討してみてください。

    最後までお読み頂きありがとうございました。

    この記事を書いた人

    工業高校を卒業し、現在は機械設計を行っている二十代。
    主に自分の経験を元にして、高卒、工業高校に関する記事を書いています。

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