高校卒業後の進路に悩んでいる人の多くは、
「Fラン大学でも良いから大卒の肩書きを得る方がいいのかな…。」
「Fラン大学に入るよりも高卒で就職した方が安定なのかな…。」
という二つの考えで迷っていませんか?
どちらもメリット・デメリットがあり、結局どちらの道を選べば将来的にプラスになるのか判断できずに悩んでしまいますよね。
そこでこの記事では「Fラン大卒と高卒就職では結局どっちが良いのか」について、それぞれのメリットやデメリットを詳しく解説していきます。
高校卒業後の進路に悩んでいる人はぜひ参考にしてみてくださいね。
Fラン大卒より高卒の方が就職しやすいって本当?
日本には高校が多数あるので一口にどちらが良いという判断はできませんが、近年の傾向では高卒で就職するほうが安定した職業に就くことができるという話も多く聞かれています。
学生やその親御さんの気持ちを考えると、やはり「就職=大卒のほうが有利」という意識が強く根付いており、「Fランでも大卒という肩書きがもらえるなら」と思ってしまう傾向にあるようです。
しかし実際の就職状況を確認してみると、進学校・工業系など高校のレベルは関係なく、高卒の方が就職しやすい環境にあることが分かりました。
まず、現代の就職事情として、企業はできるだけ即戦力を必要としているケースが増えています。
資格を必要とする職業であったとしても、「働きながら資格取得をしてもらう」ということを前提としている企業も多いのです。
特に地元に勤務地がある企業であれば、地元出身の人材を積極的に採用したいという傾向にあります。
これは地元で働けば、就職時に環境の変化から体調を崩しにくいことや、働いている人も地元の人なので職場に馴染みやすいというメリットがあるからです。
もちろん、地元以外であっても大学の4年間を過ごしていない分、新しいことを覚えやすかったり、その会社の特色を十分に覚えることができるので重宝されています。
さらに高卒という肩書きはほとんどの人が持っているものですので、学校による差別も少ないのが大きなメリットです。
そして高校生が就職活動をする場合、学校の教師がしっかりサポートしてくれるのも安心できるポイントと言えます。
大学では就職課というものがあるとはいえ、高校の教師ほど親身にはなってもらえないでしょう。
また、Fラン大学を卒業して就職活動をする場合、同じ企業の就職希望者の中にはさまざまな大学出身者がいます。
その中でもFラン大学となると採用優先度は低くなることは目に見えています。
どんなに能力が高いとしても、Fラン大学よりもEランク、Dランクのほうがレベルが高いと判断されるので、その時点で落とされてしまう可能性が高くなります。
つまり就職だけに焦点を当てれば、高校同士の格差が少ない高卒の時点で就職するほうが安定であるということがわかります。
Fラン大卒より高卒の方が大手企業に就職しやすい!
高卒で就職できる企業は小さな会社ばかりだと思われがちですが、全くそんなことはありません。
特に商業高校や工業高校の場合は、高校の授業で専門的な分野を勉強していることで専門職からの求人が多くあります。
その中には日本だけでなく世界でも有名な企業からの求人もあり、Fラン大学に進学しても就職できないでしょう。
最近では情報科学にも力を入れる高校が増えており、授業でプログラミングを習ったり、それに関する資格取得をしている人も多くなっています。
こうしたIT技術は今後も大きな発展を見込める企業ですので、新しいエンジニアを募集している企業も多数です。
IT企業の数も大小含め多数で、新しい会社の設立も増加しています。
そのため、その分若い力を求めているのです。
Fラン大学に進学したとしても、IT系に関係のない学部に入ってしまえば、いくら高校でIT技術を習ったと言っても意味がありません。
また、IT技術は日々進化しているので4年間勉強をしないだけで全くわからない世界になっているでしょう。
そうであれば、技術と知識を持っている間に就職するほうが有利だと言えるのです。
企業の有名さ、大きさなどを求める場合も、生きた技術がある高卒のほうが優遇される傾向にあるようです。
IT系以外であっても、さまざまな技術は速いスピードで進化していますので、高卒で就職して専門知識をしっかり活かしながら技術を身につけてもらったほうが即戦力として活躍できるでしょう。
実際、工業系・商業系の高校には日本でも名前を聞いたことのある有名企業からの求人が多く、高校内の成績によってはハイレベルの大学生でも就職できないような企業に雇用される可能性だってあるのです。
Fラン大卒より高卒の方が生涯賃金が高くなる可能性もある
学生の身分を卒業し、就職して賃金を得るようになると必ず付いて来るのは「生涯賃金」というものです。
生涯賃金とは、新卒から定年して退職するまでの間に稼げる賃金の総額です。
生涯賃金は毎月の給与だけでなく、賞与(ボーナス)や各種手当、退職金なども加算されます。
新聞やニュースなどを見ていると、政府が発表する統計調査で生涯賃金の金額を出していることがありますが、これは日本で働いている人の平均年収などを見て大体の金額を出しているのです。
ちなみに日本人男性の平均的な生涯賃金は、大卒で2億9千万円、高卒で2億2千万円と言われています。
これを見るとちょっとの差だと思ってしまうかもしれませんが、差額7千万円というのは月収・年収にも大きな差であることがわかります。
しかし、これは平均の生涯賃金であり、大卒でも小さな会社に就職した場合や途中退職してしまった場合はこの限りではありません。
当然、Fラン大学から就職しようと思うと、有名企業に就職することは難しくなります。
逆を言えば、高卒であっても給料の良い会社で長く働けばハイレベルの大学を卒業した人よりも生涯賃金が高くなるのです。
Fラン大卒と高卒での就職先の違いについては先程説明しましたが、高卒であっても大手企業に就職することができれば大学在籍中の4年間だけでも生涯賃金に大きな差をつけられるのです。
Fラン大学へ行くメリットとデメリット
ここではFラン大学から就職する場合について、メリットとデメリットについてご紹介しますね。
メリットとデメリットをよく理解し、自分に合った進路選択をしましょう。
Fラン大学へ行くメリット
1.大卒という最終学歴になる
Fランと言えども大学は大学です。
きちんと単位を取れば卒業できますし、その時の最終学歴は「大卒」となります。
日本の世間ではまだ高卒が低く見られる傾向にあるため、特に地方の企業などでは大卒というだけでも大きなプラスになるのです。
転職市場においても、そもそも「大卒以上」という条件を求人に設けている企業が多いため、自分が本当に働きたいと思っている会社がある場合には、Fランであっても大卒の肩書きがあれば有利に働きます。
2.大学生活で新しい世界を発見できる可能性が高い
高卒の時点で将来自分がどんなことをやりたいかという希望を強く持っている人はあまり多くないでしょう。
まだまだ未成年の高校生であればおかしなことではありません。
そこで大学生という目線の違う環境で4年間を過ごすことで、新しい世界を見つけることができるかもしれません。
もちろんそれは本人次第ですが、お金に余裕があるのであれば「とりあえず大学」というのも一つの選択肢であると言えるでしょう。
3.成績優秀であれば就職にも有利
Fランではしっかり勉強をすれば成績はぐんぐん上がります。
そのため、大学内でも成績優秀者として扱われることになり、就職に有利となります。
Fラン大学でも、大学自体にコネクションがあれば大手企業から求人が出ることもあるので、成績が優秀であれば大手企業に入ることができる可能性もあります。
Fラン大学へ行くデメリット
1.お金がかかる
Fランと言われている大学の多くは私立大学なので、学費などが高くなります。
大学に関して一番の難点となるのが学費です。
実家にお金がある場合はデメリットにはなりませんが、奨学金を利用する予定がある場合、大学卒業後に奨学金を返済できる余裕のある給与を得られる会社に就職する必要があります。
2.時間を無駄にしてしまう
メリットの方で「新しい世界を発見できる」ということを説明しましたが、場合によっては大学在籍の4年間を無駄に過ごしてしまうことも少なくありません。
「大学入学後に気が抜けてしまって自堕落な生活が始まった」
「サークルに入って楽しんでいたら単位が足りなくなった」
などの失敗談も良く聞かれます。
大学入学時は楽しい事ばかりだと期待していても、実際に生活を始めると理想を実現できないケースも多いのです。
これはFランだけでなく、Sランクの大学に入学してもこうなってしまう話もあるくらいありふれたデメリットなのです。
3.あまり評価されない
地方では大卒というだけで重宝されるとは言いましたが、地方であっても大学事情に詳しい人は多数います。
また、近年では情報社会となっているので大学ランクなどもすぐに調べることができるので、書類選考の時点でFランクは除外されてしまう可能性もあるのです。
高卒で就職するメリットとデメリット
ここでは高卒から就職する場合について、メリットとデメリットについてご紹介しますね。
僕は高卒で就職しましたが、高卒で就職するメリットはとても大きいと感じています。
高卒で就職するのなら「大企業に就職する!」と決めて、高校時代は勉強を頑張って成績を上げましょう。
高卒で就職するメリット
1.大手優良企業に就職できる
工業系・商業系の高校では技術系の企業から求人が来ますので、誰もが知っている企業へ就職も可能です。
その場合、親族や周囲にも説明しやすく理解が得られやすいのです。
「高卒で就職」というと心配されたり、下に見られたりするかもしれませんが、「高卒で大手企業に就職」といえばそれだけで周囲からは納得されるのです。
2.職場に馴染みやすい
高卒で就職した場合、職場では大抵最年少となります。
最年少の新入社員と聞けば周囲はそれだけで対応を優しくしてくれるものです。
大卒ならば当たり前ということも、高卒であれば仕方ないとミスも多めに見られることもあります。
周囲の対応が良ければ職場にも馴染みやすくなりますし、勤続年数も長くなります。
3.同年代でも収入が変わる
高卒で就職するのと、大学に4年間通って就職する場合、当然収入や貯金の額が変わります。
大卒のデメリットで紹介したように、奨学金を利用して進学した場合就職時に奨学金の返済が始まります。
その点を考えても金銭的には高卒で就職したほうが安定できます。
高卒で就職するデメリット
1.就職先に限りがある
工業系・商業系の高校であっても、求人を出す企業は限られ、就職を希望する人全員が大手企業に就職できるとは限りません。
また、その生徒の成績が悪ければ推薦を出すこともできませんし、内申も悪いので企業側も採用しにくくなります。
2.企業によっては大卒と差が出る
大手企業では高卒の採用枠と大卒の採用枠を用意していることが多く、同じ部署でも高卒・大卒の新入社員が入るというケースはよくあります。
実際僕の職場では、国立大卒の人もかなりいますし、僕のような高卒も多くいます。
その場合、同じ仕事をしているにも関わらず、給与面で大きな差が出てしまいます。
3.継続がやや困難
高校生から突然正社員として勤務することになった場合、その環境の違いから勤続することが難しく感じてしまう人もいます。
せっかく大手企業に就職できても、勤続できなければFラン大卒よりも悪い環境になってしまうことになります。
まとめ
Fラン大卒と高卒では、就職に対してさまざまな差があることをご紹介しました。
これまでの内容をまとめると、新卒の就職時に限って言えば高卒の方が就職しやすい環境であり、大手企業にも就職しやすいです。
しかし転職する際は、求人条件の面を踏まえるとやはり、Fラン大卒の方が「大卒」という肩書きがあるので高卒より有利になります。
これまでご紹介した内容は、個人によって状況が変わればメリット・デメリットが逆になってしまうこともあります。
そのため、一概に「Fラン大学であっても進学すべき、高卒で就職すべき」ということはなく、個人の能力や経済面などから判断すべきなのです。
進路を選択する際には、自分の気持ちや環境をしっかりと考え、また保護者や先生の意見も取り入れて決定しましょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。