「ブルーカラー」「ホワイトカラー」といった言葉を聞いたことはあるでしょうか?
これは職種を表す言葉で、それぞれ説明すると、
ブルーカラーとは、製造業に従事する人や土木作業員、建設作業員、運送業で働く人たちといった肉体労働をする人たちを指します。
一方ホワイトカラーとは、頭脳労働と言われる職種の人たちのことを言います。
このようにブルーカラーは肉体労働がメインの仕事であるため、
「ブルーカラーは底辺だ!」
と言われてしまうこともしばしばあるのです。
この記事では「ブルーカラーが底辺と言われる理由」について現役工場勤務者の僕が書いていきます。
僕はブルーカラーが底辺だと全く思いませんし、近年ブルーカラーに注目が集まっているのです。
この記事を読んで、ブルーカラーに対するイメージが大きく変わることでしょう。
ブルーカラーが底辺と言われる理由
製造業、土木作業、建築作業、運送業のいわゆるブルーカラーに携わっている人のイメージはどのような印象が強いでしょうか?
世間一般的なブルーカラーのイメージをいくつか紹介しますね。
学力が低いイメージがある
これらの職業に携わっている人は高卒で、学歴が低いという認識をしている人が多いと思います。
確かに、ブルーカラーの職場は高卒の人が多いことは事実です。
特に土木作業員や建築作業員をしている人は、髪の毛が茶髪だったり、ロン毛だったり、見た目的に悪そうな印象の人が多いことから、学生時代に遊んでばかりいた学力の低い人が多いと思われてしまうのです。
肉体労働で汚いイメージがある
ブルーカラーの仕事のイメージは、汗臭い男の仕事というイメージがあります。
土木作業や建築作業では、屋外で土にまみれて仕事をしていることや、暑い日も寒い日も外に出て仕事をこなさなければいけないハードさが、底辺の仕事と思われる要因になっているのです。
また、運送業も同じく肉体的にハードなイメージがあります。
大きなトラックを長距離運転して、たくさんの荷物の積み下ろしをするキツイ仕事は、できるだけ選びたくないと思う人が多いのです。
製造業は、誰にでもできる簡単な仕事と思われがちです。
洒落っ気のない作業服に着替えて、自分の持ち場に着いたら流れ作業で製品を作っていくだけの退屈な仕事というイメージがあるので、製造業は底辺の仕事だと思われてしまうのです。
確かに仕事内容を考えると、オシャレで洗練されたイメージはありません。
そして、ハードな仕事で肉体的にキツイか退屈で面白みのない仕事と思えて、憧れの職業とは言えないかもしれませんね。
危険な仕事である
ブルーカラーの仕事は、危険が伴う場合もあります。
土木作業中や建築作業中に怪我をしたり、工場で危険物を取り扱う業務を任されるところもあります。
運送業では、雪道でも山道でも運転しなくてはいけない仕事なので、事故の可能性も他の業種と比べて高くなります。
つまりブルーカラーの仕事は、気の緩みが命取りとなってしまうことだってあるのです。
このように、頭の悪い印象を持たれてしまったりきつく、汚く、危険な仕事というイメージが根付いているので、ブルーカラーの仕事を選びたがらない人が多いのです。
ブルーカラーは全く底辺ではない
しかし、近年はブルーカラーが底辺の仕事だというイメージは覆りつつあります。
頭脳労働と言われるホワイトカラーは、学力が高い上流階級の付く仕事として、憧れを持つ人は多いでしょう。
しかし、そんなホワイトカラーの仕事は、AIの出現によって、仕事がAIに奪われてしまう危機に陥っています。
複雑な計算も、書類の作成も、AIを使えば早く、そして正確にできてしまいます。
それならば、AIに仕事を全て任せた方が生産性が高いので、今までホワイトカラーの仕事についていた人たちは失業してしまう可能性もあります。
これからは、あらゆる業種で仕事が人からAIに代替され、仕事がなくなってしまう時代です。
AI時代に残される仕事とは、どうしても人間でなくてはできない仕事のみとなるでしょう。
家の設計はAIができたとしても、実際に家を建てるのには、熟練された職人の技術が必要不可欠です。
運転をアシストする車が続々と開発されていますが、日本全国の指定された場所に荷物を届けるのにもやはり、人の運転技術が必要です。
このようにブルーカラーの仕事内容は、AIに全てを代替するのは難しく、ここに来て改めてブルーカラーの仕事の強みに注目が集まっているのです。
多くの仕事が奪われてしまう時代に、生き残ることができる強みがある仕事を、もはや底辺の仕事と言うことは出来ないでしょう。
製造業ライン工は底辺ではなくホワイト
ブルーカラーの仕事は、肉体的にきつい仕事が多いのは事実です。
しかし、製造業のライン工は働きやすく、いわばホワイトな仕事と言っても過言ではありません。
その理由を紹介しますね。
空調の効いた室内で仕事ができる
土木作業や建築作業の現場は主に外なので、天気の悪い日や、逆に日差しが強い日などは普段以上に体力を奪われます。
しかし、製造業のライン工は工場内での業務なので、天候に左右されることなく普段通りの仕事ができます。
製造するものにもよりますが、大抵の会社は冷暖房が完備され、快適な環境の中で仕事をすることができます。
福利厚生が整っている
多くの社員を抱える工場での仕事の場合、福利厚生が充実しているところも少なくありません。
厚生年金にも入れますし、有休もあります。
社員が多ければ、有休も取りやすく、プライベートを充実させることも可能です。
社員寮を完備している工場もあれば、住宅手当てや、財形貯蓄をしてくれるところなど、工場の規模が大きいほど福利厚生が整っています。
このほかにも、会社独自の福利厚生はたくさんあり、スポーツジムを無料で利用できたり、家族旅行の旅費を負担してくれるなど嬉しいサービスもあります。
一般企業に勤めるより、大手の工場に勤務した方が、はるかに充実した福利厚生を受けることができるのです。
給料が高い
意外と知られていないのですが、工場の仕事は一般企業に比べると、給料が高く設定されています。
また工場によっては、交代制のシフトで業務を遂行しているところもあり、深夜の時間帯に仕事をすれば深夜手当がつくので、更に給料がもらえます。
大手企業に勤めると、初任給は高卒で18万円程度、大卒で20万円程度と言われていますが、ほとんどの工場でボーナスも支給されるので、ボーナスも含めると年収300万円〜500万円くらいになります。
高収入を得られて、かつ休みが取りやすく、福利厚生も充実しているだなんてホワイトとしか言いようがありませんよね。
ブルーカラーの仕事が海外で注目されている!?
AIの進出によって注目を集めることとなったブルーカラーの仕事ですが、海外では既にブルーカラーへの仕事に光が当たっています。
海外では名門大学を卒業した優秀な若者が、あえてブルーカラーの仕事を選ぶということも起こっています。
というのも、海外でもブルーカラーの職人たちの高齢化が進み、若手の職人たちの存在が重宝されるようになりました。
大卒でホワイトカラーと呼ばれる職についた人よりも、はるかに高い収入を得るブルーカラーも増えていることから、名門大学を卒業したエリートもあえて作業員という仕事を選択するようになったのです。
特に注目されているのはエコロジー業界です。
風力発電などのエコロジー業界は、近い将来成長することが間違い注目株の仕事だと言われています。
名門大学を卒業したエリートだからこそ、先を見据えて成長するであろう業界にいち早く目をつけたというわけですね。
海外でブルーカラーの仕事が注目されている波は、そのまま日本にくること間違いなしでしょう。
高卒で働くならブルーカラーの仕事がオススメの理由
高卒は大卒に比べて、仕事が選びにくかったり、収入の格差を感じたり、転職がしづらかったりすることは事実としてあります。
しかし、高卒がブルーカラーの仕事をするメリットは大きいのです。
高卒で働くならブルーカラーの仕事がオススメな理由は次のようなことが挙げられます。
高卒者が採用されやすい
大卒以上でなければ従事できない仕事と、高卒でも従事できる仕事がありますが、ブルーカラーの求人は、高卒の採用枠が非常に多いのが魅力です。
家庭の事情で大学に進学することが難しかった人も、勉強が嫌いで大学に進学しなかった人も、ブルーカラーの仕事なら内定を貰いやすいのです。
一口にブルーカラーの仕事と言っても、道路工事を請け負う仕事もあれば、建物を建てる仕事、荷物を運ぶ仕事、修理をする仕事、物を製造する仕事など、いくつもの業種がありますから、その中で自分に向いているものや興味が持てる仕事が見つかるかもしれません。
高卒が従事できる仕事の中で高収入を得やすい
ブルーカラーの仕事は、高卒が採用されやすい仕事なだけではなく、収入が高いのもオススメポイントの1つです。
ブルーカラーの仕事の中には、高卒でも大卒並みに稼げる業種も複数あります。
例えば工場勤務で夜勤に多く入れば、夜勤手当がつくので、日勤の事務職よりもはるかに稼ぐことができます。
正社員で働くとなると、高卒でも出世しやすい業界なので、収入アップが見込めます。
土木業や建設業は、体力勝負のきつい仕事であるため、もともとの給与が同年代の一般企業で働く人たちの給与よりも高く設定されています。
土木業や、建設業は特に学歴よりも能力がモノを言う世界でもあるので、大卒で仕事の飲み込みが遅い人よりも、高卒でメキメキ技術を習得した人の方が現場を仕切らせてもらえます。
「学歴が低く資格もないけどお金を稼ぎたい!」
という人はブルーカラーの仕事が向いているかもしれませんね。
まとめ
ひと昔前までは、ブルーカラーの仕事といえば、低学歴で低所得といった底辺の仕事と思われていました。
しかし今では世界が注目する業種がブルーカラーなのです。
少子高齢化が止まらない今、大卒でなくてもやる気と体力のある若者の力が求められています。
ブルーカラーの仕事の中でも、プライベートを充実させやすい仕事や、高収入を得やすい仕事など色々な条件の中で探すこともできますから、やる気と体力には自信があるという人は、ブルーカラーの仕事を検討してみるのも良いでしょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。